[内容]
無農薬リンゴの栽培成功までの歩みと、著者の不思議な体験が綴られている。
[感想]
著者は大変な苦労の末に成功を収めた人で、ベストセラーの『奇跡のリンゴ』
は映画にもなっている。だからこそ思った。
「リスキーな本を出したなあ。見えない世界を否定する人達に攻撃されるのは
間違いないのに、勇気があるなあ。」
著者の不思議な体験とは、高校生の時に見た巨大な龍、トラックの助手席にいた
幽霊、UFОの搭乗体験、臨死体験…等々だ。
著者を好意的に見る人も大勢いるが、ネットでは予想通り「ほら吹き」「脳の病気」
などの言葉が散見された。
“不思議体験談”は、たった一つの勘違いで他の体験や人格まで否定されかねな
い世界だ。著者がそれでもこの本を書いたのは、それだけの信念と覚悟があった
からだろう。
私が一番驚いたのは、最終章の 「初めて会った若い女性が、私の夢か幻か臨死
体験か、未だに謎の出来事の一部始終を細部までみんな知っているのです。」の
行だ。まるで小説のようだが、著者が冒頭で述べている 「目に見えてることだけ
見ていても、本当のこと、真実はわからないのです。」の言葉通り、私もこの世
には常識では有り得ないような事が沢山あると思っている。
今日は “不思議”に重点を置いて感想を書いたが、本書では他にも、無農薬栽培
を成功させるまでの出来事やリンゴへの思い、色々な人との出会いなどにも、多く
の頁が割かれていて、そちらの話も面白い。また、リンゴの木に話しかけ、畑を荒
らす狸のために不良品のトウモロコシを置いておく、そんな著者の優しさも嬉しい。