ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

すべては宇宙の采配  (木村秋則)  東邦出版

[内容]

無農薬リンゴの栽培成功までの歩みと、著者の不思議な体験が綴られている。

[感想]

著者は大変な苦労の末に成功を収めた人で、ベストセラーの『奇跡のリンゴ

は映画にもなっている。だからこそ思った。

「リスキーな本を出したなあ。見えない世界を否定する人達に攻撃されるのは

間違いないのに、勇気があるなあ。」

 

著者の不思議な体験とは、高校生の時に見た巨大な龍、トラックの助手席にいた

幽霊、UFОの搭乗体験、臨死体験…等々だ。

 

著者を好意的に見る人も大勢いるが、ネットでは予想通り「ほら吹き」「脳の病気」

などの言葉が散見された。

“不思議体験談”は、たった一つの勘違いで他の体験や人格まで否定されかねな

い世界だ。著者がそれでもこの本を書いたのは、それだけの信念と覚悟があった

からだろう。

 

私が一番驚いたのは、最終章の 「初めて会った若い女性が、私の夢か幻か臨死

体験か、未だに謎の出来事の一部始終を細部までみんな知っているのです。」の

行だ。まるで小説のようだが、著者が冒頭で述べている 「目に見えてることだけ

見ていても、本当のこと、真実はわからないのです。」の言葉通り、私もこの世

には常識では有り得ないような事が沢山あると思っている。

 

今日は “不思議”に重点を置いて感想を書いたが、本書では他にも、無農薬栽培

を成功させるまでの出来事やリンゴへの思い、色々な人との出会いなどにも、多く

の頁が割かれていて、そちらの話も面白い。また、リンゴの木に話しかけ、畑を荒

らす狸のために不良品のトウモロコシを置いておく、そんな著者の優しさも嬉しい。