今から6~7年前のことだ。友達の家に行く途中で、首輪に鎖を付けたま
ま車道を歩いてる犬が目に飛び込んで来た。
運転中だったが、割とすいてる道路でしかも犬が歩いてるのは左車線。
すぐに車を止めて傍に行くと、幸いおとなしい犬でスンナリ車に乗ってく
れた。雑種で、大型犬よりやや小さいくらいの大きさだ。
本当は知らない犬はちょっと怖いのだが、助けの必要な犬猫を見つけた時の
為に、車にはいつも犬用のリードと猫用のキャリーバッグを積んでいた。
私がそうするようになったのは、その10数年前に読んだ『この子達を救いたい』
という本がキッカケだった。
私はこの本で、動物達の現状に目をそむけていたことを突き付けられた。
同時に、今迄直接関わったノラ犬猫には、出来るだけのことをしたつもりで
いたが、実は中途半端だったこと、それで息子を悲しませたこともあったこ
とが、怒涛の如く押し寄せてきた。だが今更取り返しはつかない。
せめてこれからは、自分と縁のあった動物は絶対に見捨てまいと決めた。
犬を乗せたまま友達の家に行き、近くの交番まで連れてってもらった。
警察官は優しい人で、そこで飼われてる犬も捨て犬だったという。
「2~3日なら預かりますよ。」と言ってくれたが、続けて申し訳なさそうに
「その後は保健所に引き渡すことになります。」と言われ、結局連れ帰った。
友達に頼み込んでそのまま一緒に近所を訪ね歩き、ラッキーなことに30分程
で飼主に辿り着いた。脱走は2回目とかで、「あんた、又なの!」と犬に怒る
姿はいただけなかったが、付き合ってくれた友達には感謝・感謝だった。