ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

<漫画> 探さないでください (中川学) 平凡社

[内容]

勤務先から失踪した過去を持つ著者が、その時の体験を漫画で綴っている。

[感想]

結構重い内容なのだが、ユーモラスな作風で緩和されている。

 

中学の教師になったものの、授業や部活に悩む日々を過ごす著者。

しかしどうしても「辞める」の一言が言えず、ある日とうとう「探さない

で下さい。」と書いた置手紙を残して蒸発してしまう。

 

家出の漫画は色々あるが、この漫画の面白いところは、15年後にけじめをつ

ける為、当時関わった人達に会いに行くという点だ。自分の心境だけではなく、

その時彼らが何を思い何をしてくれたかが描かれている。

 

自分の弱い部分をさらけ出すのは、きつい作業だったと思うが、生きて帰っ

たこと、それを受け止めてくれた人達がいたことは、本当に幸いだった。

失踪後に家族や沢山の人にフォローされていたことを、著者がきちんと自覚し

感謝しているところにも好感が持てる。

 

<漫画> 俺、つしま (おぷうのきょうだい) 小学館

 

[内容][感想]

ツイッターでブレイクした、元ノラ猫と心優しいおじいちゃん(本当は女性)の物語。

作画は兄で、妹がストーリーを担当。実話が基になってるそうで、猫のあるある

に笑い、癒され、涙も少し。 何よりも猫への愛が凄くて、完敗です(笑)。

 

猫達の絵は写真加工でもしたようなリアルっぽさで、登場人物も多くは劇画風。

それなのに、おじいちゃんだけは何故かラフ過ぎる線で全身青色。しかも顔の形

は“精米”。でも、不思議なほど感情がバンバン伝わってくる。

 

つしまはツンデレで目つきの悪い猫だが、それが妙に可愛い。本物のつしまの

写真も掲載されてたが、これが漫画と全く同じで笑ってしまった。

ところでおじいちゃんの鼻毛が気になるのだが、これも本人と同じなのか?