ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

誰も居ない筈の廊下からの足音

すずは近所をうろついてた猫(♀)で、ノラには見えず避妊手術痕もあった。

新聞に迷子広告を出したがどこからも連絡が無く、結局うちの子になったが、

死ぬ迄私に甘えることは無く、他の猫とも静かに距離を置いていた。

 

ある冬の夜、私と他の猫達が居る2階の部屋の前から、階段に向かって歩く足音

が聞こえた。しかしこの日は誰も居ない筈。猫達も足音に反応してたので、家の

中を見て回ったところ、1階の部屋にすずが居た。この氷点下の夜に、私はうっ

かり2時間もすずを板の間に閉じ込めてしまっていた。

 

すずには以前から気になることがあったので、数日後ネットで無作為に選んだ

霊能者に電話して、(足音のことは言わず)すずは飼猫だったのかと聞いたところ、

こう言われた。「元の飼主さんは30代の女性で、病気で亡くなってます。猫ちゃ

んを心配して、今ほたるさんの家の“Aの場所”に居ます。…スーツを着てます。」

 

霊視鑑定は99%偽物と言われる。正直言うと「インチキかも。」「ヒントは与え

ないぞ。」と少し意地悪な気持ちで会話していたが、これには驚いた。

 

関係ないと思っていたのでこれも彼女には言わなかったのだが、実はいつの頃か

“Aの場所”で家事をしていると、私の頭にしばしば「私は死にました」という

言葉が浮かぶようになっていた。私はそれを不思議に思いながらも、繰り返し

聞いて頭にこびり付いてしまったCМソングと、同じ類のものだと思っていた。

 

彼女は続けて言った。「悪いものではありませんが、成仏してもらった方がいいで

すね。」「今から言う場所に火をつけたロウソクを置いて、成仏を祈って下さい。」

それから家の中を回って歩くよう言われたのだが、それを聞いて更に驚いた。

 

「まず玄関に、次は左から△△に、そしてトイレ→〇〇→◇◇→▢▢→そこから

2階へ…。」具体的にはここまでだが、まるで家の中が見えてるように正確だった。

 

ロウソクはアロマ系の可愛いのにして、彼女の言う通り元の飼主の成仏を祈った。

そして、迷ったが彼女の連絡先を書いた紙は、お礼を言って破棄した。(合掌)