ヤムチャ(♂14歳)は生後2週間の頃に紙袋に入れて捨てられ、拾われた時
は頭上でカラスたちが旋回していたという。すぐにうちに連れてこられた
が、カラスに突かれていたのか、私が頭を撫でようとすると驚いたように
手に噛みつき、抱っこはさせてくれるものの、その癖は数カ月続いた。
哺乳瓶のミルクを上手に飲めなかった為、うちに来た翌日から1週間入院。
退院してからは毎日抱っこの度に頬ずりをしていたら、少しずつ噛むのが
おさまってきた。今では撫でると、お返しに必ず手や顔を舐めてくる。
1年後には体重7㎏の細マッチョに成長し、中庭で蛙や蝉・カナチョロを
捕まえては家の中に持ち込むようになった。エネルギーが有り余っている
のか、今でもよく2階のベランダの梁に上がって、まるで犬のような遠吠
をして私を慌てさせている。(避妊手術済で発情とは違う鳴き方)。
殆ど病気知らずだが、2年前動物病院へ健康診断に連れてった時のこと。
待合室で隣に座った高齢の女性が、暫くヤムチャを見つめた後で「この子
は豹だね。黒豹。」と、それだけ言って微笑んだ。彼女は見た目の感想を
言っただけかもしれないので何も聞かなかったが、私は内心驚いていた。
ヤムチャが産まれる1年ほど前のことだ。
夜中に目が覚めると私のお腹の上に、猫の4~5倍程の大きさの 小柄な
黒豹が箱座りをしていて、野生の鋭い目でじっと私を見つめていた。
寝ぼけて初代黒猫のナナ(体重3㎏)と見間違えたかと思ったが、確かめると
ナナは私の横でスヤスヤと眠っている。
もう一度お腹の上に視線を戻すと黒豹はまだ座っていて、10秒程見つめあっ
ていたが、私が諭すように「あっちに行きなさい。」と言った途端に消えた。
ヤムチャが来て数年後のこと。私のお腹の上で箱座りして、私の顔をじっと
見つめるヤムチャの目を見て、突然「あの黒豹はこの子だ。」と思った。
※ヤムチャだという確信は無いのでボツにしていたが、備忘録としてアップ。