ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

お父さんの日記 (河相 我聞) 宝島社

[内容]

俳優の河相我聞と息子達の日常を綴った人気ブログが、書籍化されたもの。

[感想]

本書は、母親の古い家(10坪)のリフォームに始まり、他にも枠にとらわれない

面白い話が色々書かれている。著者は苦労も多く、同じ女性と2度の離婚も経験。

 

母親をはじめ、家族は皆 “我が道を行く” 個性的な人達ばかりで、著者の実兄も

高校中退→大検→外科医 と驚くような経歴。

著者は若い時はアイドル的存在で売れっ子俳優だったが、「現在は中卒でニート

に近い俳優」 とは本人の弁。

 

シングルファザーでまだ42歳だが(2017年当時)、子供は既に23歳と15歳。

父親と母親の2役をこなすのは大変と思うが、見栄や外聞にとらわれない 

おおらかな人柄とユーモアのある文章で、時々クスっと笑わせてくれる。

自分の事を「わたくし」と書いているのも、今時の人としては珍しい。

 

高校進学を望まない二男の為に、高卒認定試験(大検)を目指して勉強を始めた

著者。しかし中学卒業後アルバイトをしていた二男は、父親のそんな背中を見

てもその気を起こすことはなく、著者も「父親が勉強を楽しむのではなく、

苦しんで勉強する背中を見せてしまった。」と書いている。

 

結果はどうだったのかなと著者のブログを見てみたら、スンナリとはいかなかっ

たがちゃんと合格していて、思わず「おめでとう」の言葉が。息子さん達も、

俳優として頑張ってるようだ。

 

一番印象に残ったのは 「自分で責任をとりなさい」ではなく「やりたいよ

うにすればいい。何かあったら私も一緒に責任をとる。」という決断をした。

という言葉で、根底に深い愛情が感じられ、考えさせられることも多い本だった。