[内容]
父親が失踪したため娘たちが実家に集まり、そこで家族の本音が炸裂する。
(2013年 製作国 アメリカ) 映画賞受賞
[感想]
片田舎で暮らすバイオレットは、元気に見えるが癌で自宅療養中の身だった。
真夏のある日、アル中の夫が彼女の為にお手伝いさんを雇って、その直後
誰にも行先を告げずに失踪してしまう。
心配したバイオレットは娘3人に連絡し、近親者が自宅に集まった。
娘達は母親にわだかまりがあって、それぞれ距離を置いていた為、全員が揃う
のは久しぶりだ。だが治療薬の乱用でハイになったバイオレットは、そんな娘達
を毒舌で容赦なく傷つける。
彼女の勘は鋭く、妹や娘たちの隠し事など全てお見通しだ。
夫と別居中の長女。地元に残って従兄弟との恋を育む次女。胡散臭い婚約者を
連れて来た3女。バイオレットの妹と夫が、昔不倫関係だったことも知っている。
夫はすぐに、自殺による溺死体で発見された。
葬儀後の会食の席で、家族への口撃の口火を切ったのは、バイオレットだった。
そこから各々の秘密の暴露と、本音のぶつけあいが展開される。
結局家族の関係は修復されないのか…。
さめざめと泣くバイオレットに胸を貸したのは、皮肉にも彼女から“インディアン”
と馬鹿にされていたお手伝いの女性だった。
一番深く傷つき悲しんでいたのは、バイオレットだったのかもしれない。
紹介文には“ブラックコメディ”とあったが、思ったよりシリアスな映画だった。