ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

カノン (主演) 比嘉愛未

[内容]
アル中の母に悩まされながら育った3姉妹が、死んだと聞かされていた母の
真実を知る。            (2016年 製作国 日本) 映画賞受賞

[感想]
旅館を経営していた祖母の葬儀で、久し振りに顔を合わせた三姉妹。
祖母の遺書には「許してください。あなた達のお母さんは生きてます。」と書か
れていた。

 

3人は葬儀を終えてから、遺書にあった富山県介護施設に向かったが、
そこにいた母は、長年の飲酒のせいで我が子の顔さえ認識できなくなっていた。
そこから3人で、母が依存症の治療を受けた病院や、退院後に働いていた場所
を訪ね歩き、色々な人から話を聞いて少しずつ母の辛い人生が解明されていく。

 

姉妹の父親は妻を顧みなかった人で、若い時に自殺している。
母は子供を育てるためにホステスとして働いたが、お酒で少しずつ心身が蝕まれ
ていき、娘たちを虐待した挙句、最後は火事で重傷を負ってしまう。
それが母親を見た最後だった。

 

沢山の心優しい人達が登場するが、その中で長姉のモラハラ夫の酷さが半端
なく、それに怯えるだけの長姉も又、アル中の母の犠牲者というのがせつない。
3人は一緒に子供の頃の記憶をたどり、真実を知った後は母への赦しの心が
芽生え、トラウマを乗り越えてそれぞれの人生を再生させる。

 

ラストで3姉妹が弾く「カノン」のピアノと、富山の景色が美しい。 

 

知人が、「昔に比べて、断酒会に入ってくる女性が増えた。」と言っていた。
女性は体の構造上男性の半分の酒量でも肝障害を起こしやすく、又キッチン
ドリンカーに陥ったりなどで、周りが中々気付けない面もあるという。

 

カノン [DVD]

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