[内容]
個性の強い仲良し大家族と、この家族を敷地から立ち退かせたい経営者家族
のコメディ。 (1938年 製作国アメリカ) 映画賞受賞
[感想]
工場建築の為の立ち退き話に、1軒だけ反対し続けているヴァンダーホフ一家。
近所の住民からは感謝されていたが、工場の経営者カービーの苛立ちは頂点に
達していた。
ヴァンダーホフの孫娘はカービーの会社の秘書で、カービーの息子とは相思相
愛の仲。カービーはそれを利用して息子に説得させようとするが、息子は逆に
この一家に惹かれていく。
ヴァンダーホフ一家は皆個性的で、バレーを習っていて家の中でもいつも踊って
る娘や、おもちゃ作りが趣味の同居人など、のびのびと自由な人間ばかり。
地下で花火を作っていたら爆発が起きて、ヴァンダーホフまで留置所に収容され
てしまうなど、次々と問題が発生するが彼はいつも楽観的だ。
立ち退きを迫るカービーは傲慢な男だが、ヴァンダーホフから「いくら金を儲けて
も、あの世までには持って行けない」と言われて、少しずつ態度が軟化していく。
長年金儲けしか頭になかった男が、そう簡単に変わるはずがないのだが、それ
が有り得てしまう、どこかおとぎ話めいた人々と展開が楽しい。
この映画は私が生まれる10年も前に作られたもので、しかもモノクロ。
ヘタするとドタバタ喜劇になりそうなのに、妙に可笑しくて、改めて映画情報を見
てみたら、アカデミー賞を受賞していて納得。古い映画と見くびるなかれだった。
ちょこちょこ姿を見せる、部屋で放し飼いのカラスも可愛いくて良かった。