ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

「逆さ地図」で読み解く世界情勢の本質 (松本利秋) SB新書

[内容]

世界の国々の歴史と本質、問題点を、地図の南北を逆さまに見た視点で解説。

[感想]

「世界全図」を見ると、日本はまるで世界の中心に位置しているかのようだ。

だが私も地図を逆さまに見てみたら、著者の言う「中国にとって、海をふさぐ

日本列島、台湾、フィリピン、ベトナムは実に邪魔な存在」の言葉が、急に

現実味を帯びて見えてきた。

 

2019年現在の中国の人口は、約14億人。

中国にとっては、国民の生活を賄う為にも軍事的にも、海上ルートが重要になっ

ており、実際強引な海洋進出で、あちこちの国とトラブルになっている。

尖閣諸島問題も然りだ。

 

中国がインドを囲むようにして他国の港を整備した“真珠の首飾り戦略”と、

それに対抗したインドの“ダイヤモンド戦略”。

ロシアから、北朝鮮を経由した韓国へのガスパイプライン建設計画。

アラブの春から始まった新しい対立軸。

 

これらについての解説が続き、最後の章では日本の置かれた状況と、ではどう

すべきかが分かりやすく語られている。 

 

以下は著者の導き出した結論の一部。

中韓が日本に敵対する勢力となる可能性を考えれば、冷徹なパワーバランス

戦略を執るのも一つの方法。その意味では、論理的には日本にはロシアとの

連携が効果的だ。」

 

政治の駆け引きなど難しい事は分からないが、北方領土を返還する気の無い

国との連携は、どうやったら実現できるのだろう。