[内容]
奴隷のように働かされてる、世界の子供たちの実態が語られている。
副題は『児童労働者とよばれる2億1800万人の子どもたち』 2007年出版。
[感想]
3人のACE理事による共著で、売上の一部はACEの活動に充てられる。
※ACE(エース) = 世界の子供を児童労働から守る国際協力NGО。
1997年に学生5人で設立され、著者の岩附氏が現在も代表を務めている。
子供が働くこと自体を問題にしているのではなく、義務教育も受けず低賃金で
働かされていること、危険有害な仕事をさせられてることが問題なのだという。
本書では働く子供達の姿が写真入りで解説されており、2020年現在は各国の
取り組みにより当時の3分の2に減少しているが、それでも億単位の人数だ。
硬いサッカーボールを縫い続ける子供。炎天下で農薬が付いた手を洗う間も
なく、ひたすら野菜の収穫をする子供。
8才の売春婦。戦場の子供兵士。借金のカタに働かされている子供。ゴミの山
で宝を探す子供…等々、書き出せばきりがないほど子供達はありとあらゆる場
所で、無理な仕事をさせられている。
貧困故の奴隷のような重労働が子供の命を縮め、更に暴力を受けてることも
多いという。
著者は金細工の工場から救出された子供達の報道に、「私達が身に着けてる
ネックレスには、子供達の汗と涙がしみ込んでいるのかも知れない。」と訴える。
買物をする時はフェアトレード製品や、ラグマークを意識したい。
※フェアトレード = 発展途上国で作られた作物や製品を、適正な価格を支
払うことで、生産者の自立を支える、貿易の仕組み。
今年は「児童労働撤廃国際年」で、様々な活動が企画されているそうだ。