ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

〈漫画〉『ブランカ』『こもれ陽の下で』感想 

         ★ブランカ (谷口ジロー) 小学館文庫

[内容]

闘犬として改造された白犬と、逃走したこの犬を狙うハンター達の物語。

[感想]

自分を改造した軍事研究所を脱走し、ニューヨークに住む大好きな飼主の元

へ帰る為に、ひたすらアラスカの山脈を走り続ける白い犬ブランカ

 

狼の群れをも従える驚異的な身体能力で、鹿を喰らい、熊と戦い、軍の狙撃手

や賞金狙いのハンターを次々と殺していく。

 

彼を見たイヌイットは、自分たちの先祖が殺してきた動物のシラ(精)の化身

だと恐れるが、勝手に改造され追われ続けるブランカが只々哀れで泣けた。

 

絵も良くて、読み終えた後に改めて最初の頁から、絵だけをゆっくり眺めて

楽しんだ。  続編があり、「ブランカ2」「神の犬」へと続く。

 

        ★こもれ陽の下で  (北条司) 集英社全3巻

[内容]

植物と心を通わすことの出来る少女の物語。

[感想]

本当は大人なのに小学4年生のまま成長せず、それを周りに知られる前に

引っ越すことを繰り返す少女とその父親。

 

北条司と言えば『シティハンター』が有名だが、この作品は全く色合いが違い、

事件が起きると植物に訊いて問題解決に奔走する少女の、木や草花に対する

目が嬉しくなるほど優しい。

 

彼女を想う少しドジな同級生の男の子とのラストも素敵だった。