私が中学生の時のこと。知人(Cさん)の葬儀から帰宅した父が、母に「Cさんが、
『俺が死んだらDのところに化けて出てやる。』って言ってたそうだ‐(略)‐Dさ
んはこの間から寝込んでるらしく、バチが云々…。」と話していた。
詳細は分からないが、どうやらDさんはCさんを窮地に陥れるようなことをした
らしい。
その後も「バチが当たった」という噂はたまに耳にすることがあり、以下は最近
の話だ。
妻子と別れてすぐに不倫相手と再婚した男性が、その数年後に病死したというもの
で、多分ご近所さんは戒めの意味で“バチ”と言ったと思うのだが、いずれにせよ人
から「バチが当たった」などと言われるような行いは慎みたいものだ。
私は“天罰”なんてものは無いと思っているが、因果応報…つまり“行為の善悪に
応じてその報いがある”というのは、殆どの人が経験していることで、これは本当
にその通りだと思う。
しかし、世の中には己の悪行を全く意に介さず、むしろ恵まれた人生を送っている
人間もおり、彼らに今生での因果応報が訪れることは無いかも知れない。
だが報道などで、いわゆる“大物”の罪が暴かれて谷底に落ちていく様子を見ると、
悪行の応報は芽が小さい内にやって来た方が幸せかも…などと思ったりする。
多くの人に共通していることに、“齢を重ねる程に過去の未熟さや過ちを、自分自身
の良心から責められて苦しむ”というものがある。
自分のした事が自分に返ってくるという意味では、これも因果応報と言えるだろう。
これが結構キツいのだが、何故かこれも又、自己中な人間や悪い奴ほどこういった
こととは無縁らしい。しかし、そういう人間は逆に救いようが無い気がする。
あと、天罰に期待できないからといって、恨みを晴らすための復讐はやめた方が
いい。ただ、自分勝手な人間には「いつか分かってくれる」が通じず、同じ事を
繰り返す可能性が高いので、場合によっては懲らしめることも必要かもしれない。
ただし度を超すことの無いように。