ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

お迎え現象をどう受け止めるか    

お迎え現象とは、死期が迫った人に身近な故人が現れる現象のことで、亡く

なる人の何割かがその体験を口にするという。

 

この現象は医学的には、“終末期せん妄”の一つで脳の酸欠による幻覚だと言

われており、患者に混乱や怯えがあるのが特徴だとか。

 

しかし医療者の中には、何でもかんでもせん妄とすることに疑問を呈する人達

もいる。亡くなった家族や友人(中にはペットも)が現れたと話す患者の場合は、

混乱や怯えは無く、むしろ死の恐怖が取り払われていることが多いそうだ。

 

いずれにせよ患者がお迎えだと認識している場合は、それを否定したりせず

死にゆく人の心に寄り添うことが大切だという。

 

お迎え現象とは少し違うが、今日は私の身内が体験したことを二つ書こうと思う。

 

★ (一つ目) 妹の体験

妹が20歳を過ぎた頃のこと。友達数人とドライブ中に運転者が物損事故を起こ

し、妹はその時したたかに腰を打ってしまった。

腰は日を追うごとに悪くなり、歩くのも辛い状態になったため、暫く週1の間隔

で腰の注射に通うことに。

 

ある日、夏なのに注射の後で酷い寒気に襲われ、自分の部屋で寝ていたのだが、

強い頭痛で意識が朦朧となり、起き上がることも出来なくなった。その時突然、

亡くなった祖父と伯母が枕元に正座して、心配そうに自分の顔を覗き込んでい

ることに気が付いた。

 

驚いて両親の居る部屋へ向かったが、どんな風にして行ったのかよく覚えてお

らず、両親が気付いた時は居間の手前で頭を抱えて転げ回っていたという。

 

妹が目覚めたのは和室に敷かれた布団の中で、往診に来てくれた近所の内科の

先生に、父が「狂い死ぬんでないかと思いました。」と話していたという。

妹は後で、祖父と伯母が現れたのはお迎えだったのかとゾっとしたが、今は

2人が心配して見に来てくれたと思っているそうだ。

 

★ (二つ目) 癌で入院していた父のこと

父の葬儀の時に従姉が話してくれた。「叔父さんが『俺あと2日で死ぬんだ

~。』って言うから、私、そんな気弱なこと言ったら駄目だよって言ったん

だけど、本当に2日後に亡くなったの。どうして分かったのかしらね。」

誰かが父の傍で、うっかり父の死期のことを口にしたのかとも思ったが、そ

うでは無いらしい。

 

父は実家の近くの総合病院に入院していたのだが、父の死に関しては妹も、

・病室の窓から、火事でもないのに実家の辺りに大きな炎を目撃。

・自宅で突然立ち上がれない程のだるさに襲われ、少ししてだるさがスーッと

消えたその時に、病院から父の危篤の知らせが来た。…などの体験をしており、

どちらの時も父の死との関連を感じたという。

妹は他にも不思議な体験をしているが、私とはタイプの違うものが多い。

ちなみに私の方は、いちいち気に留めなくなったのと、歳をとって鈍くなった

のか最近は何事もない日が続いている。