[内容]
死亡事故によって発覚した、自動車メーカーのリコール隠しを追求した
社会派ドラマ。 (2018年 製作国 日本)
[感想]
2002年に起きた、三菱の大型トラック脱輪事故を基にした小説を映画化。
主役クラスの俳優が、端役で多数出演している。
赤松運送の大型トラックのタイヤが、走行中に突然脱輪して、道を歩いていた
女性を直撃。一緒に居た子供は無事だったが、女性は即死した。
社長の赤松は女性の通夜に出向くが、親族に追い返されてしまう。
トラックの製造元である財閥系のメーカー、ホープ自動車の調査により、整備
不良が原因という結果が出た。赤松は整備を担当した若者を叱りクビにしたが、
若者が独自に作っていた点検資料が出てきて、調査結果に疑問を持つ。
資料を証拠として警察に持って行くが、けんもほろろ。調査のやり直しの為に
ホープ自動車の担当者に電話するが、毎回居留守を使われて相手にされない。
赤松運送は事故の為に仕事が激減し、銀行の融資も断られて、倒産寸前にま
で追い込まれてしまう。妻と社員達が心の支えだが、警察からは事故ではなく
“事件”扱いされて、赤松の気持ちもどんどん追い込まれていった。
そんな時に部下が、他県でも同じような事故があったという情報を掴み、赤松
は独自に調査を始める。同じころホープ自動車の社内でも、リコール隠しを疑う
一部の社員達による調査が始まり、更に週刊誌にタレコミがあって銀行も動き
出した。躓きながらも事態は良い方に向かうが、大企業の欺瞞と傲慢ぶりが凄い。
赤松の「中小企業なめるな!」の言葉は気持ち良かったが、同時に胸が痛んだ。
概ね事実に基づいた内容だが、ドキュメンタリーではないので違う部分もあり、
実際は赤松運送のモデル会社は会社を続けられなかったとか。
三菱に限らず、大手自動車会社はこの映画をどう見たのだろう…。