「内容」
戦国の世で立身出世や富を願う男たちと、その妻の物語。
(1953年 製作国 日本) 映画賞受賞
「感想」
250年近く前に書かれた短編集『雨月物語』をもとに製作されたもので、
国内外で受賞した秀作。
古くささは感じず、音楽も独特な雰囲気で引き込まれて観た。
戦国乱世の時代、焼き物を売って一旗あげようとする貧農の源十郎と、
侍になって名声を得ようとする義弟の藤兵衛。
しかし、欲に取りつかれた2人を待ち受けていたのは、惨憺たる現実で、
片や、美しい怨霊に憑き殺されそうになり、
片や、離れている間に女房が女郎に堕ちていて衝撃を受ける。
男達はどちらも自業自得だが、賊に殺されても尚、亭主や我が子を想う源十郎
の女房が哀れだった。
京マチ子演じる怨霊が、美しくも迫力があるが、
私は、御付きの老婆のセリフ回しの方がよほど怖かった^-^;。
白黒の映像が逆にこの映画の印象を深くしており、
田舎の粗末な家や、彼らの着物の着こなしは、私が幼い頃にはまだ目にすることが
あったもので、それらも懐かしく楽しませてもらった。