「内容」
日本の実情と未来の危機を、カエルの世界に置き換えた寓話。
「感想」
ナパージュ国のツチガエルたちは、
「カエルを信じろ」 「カエルと争うな」 「争うための力を持つな」
の三戒を守ることで、国の平和が保たれて来たと信じていた。
彼らは又、祖先が過去に犯した過ちを自分たちの原罪と考えていて、皆でいつも
“謝りソング”を歌っている。
しかし彼らの居住地には、既にウシガエルの魔の手が迫っていた。
最後の頁に「この物語はフィクションであり、実在の人物、団体等とは一切関係ありま
せん。」と書かれているが、それが逆に挑戦状に見えるほど、登場人物は正に日本の
政治家、マスコミ、評論家、自衛隊、そして大衆そのもの。
この本を、不安を煽っていると読むか、日本の行く末を予言していると読むか、
いずれにせよ、著者からの警告であることは間違いない。
百田氏のサイン会の爆破を予告する電話があるなど、物議をかもした本だが、
この小説がベストセラーとなったのは、国民の多くが抱いている不安を表し
ているからだろう。
百田氏と石平氏の対談『カエルの楽園が地獄と化す日』を先に読んでいて、それ
でこちらの方も読んでみようと手に取ったのだが、実際、世界情勢は益々きな臭く
なっており、日本がこのような地獄に陥らないことを心から願う。
※小説の舞台であるナパージュ国(NAPAJ)を逆さ読みすると、“JAPAN”になる