ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

カエルの楽園 (百田尚樹) 新潮社

 

 

「内容」

日本の実情と未来の危機を、カエルの世界に置き換えた寓話。

 

 

「感想」

ナパージュ国のツチガエルたちは、

「カエルを信じろ」 「カエルと争うな」 「争うための力を持つな」

の三戒を守ることで、国の平和が保たれて来たと信じていた。

 

 

彼らは又、祖先が過去に犯した過ちを自分たちの原罪と考えていて、皆でいつも

“謝りソング”を歌っている。

しかし彼らの居住地には、既にウシガエルの魔の手が迫っていた。

 

 

最後の頁に「この物語はフィクションであり、実在の人物、団体等とは一切関係ありま

せん。」と書かれているが、それが逆に挑戦状に見えるほど、登場人物は正に日本の

政治家、マスコミ、評論家、自衛隊、そして大衆そのもの。

 

 

この本を、不安を煽っていると読むか、日本の行く末を予言していると読むか、

いずれにせよ、著者からの警告であることは間違いない。

百田氏のサイン会の爆破を予告する電話があるなど、物議をかもした本だが、

この小説がベストセラーとなったのは、国民の多くが抱いている不安を表し

ているからだろう。

 

 

百田氏と石平氏の対談『カエルの楽園が地獄と化す日』を先に読んでいて、それ

でこちらの方も読んでみようと手に取ったのだが、実際、世界情勢は益々きな臭く

なっており、日本がこのような地獄に陥らないことを心から願う。

 

※小説の舞台であるナパージュ国(NAPAJ)を逆さ読みすると、“JAPAN”になる