「内容」
生活保護の実態と問題点を深く掘り下げて考察。
「感想」
国の生活保護支給総額が、ここまで膨れ上がった経緯がよく分かる内容で、
不正受給や、病院ビジネス・貧困ビジネス、等を取材に基づいて解説している。
生活保護の受給が認められるのは、以前は一部を除き65歳以上に限られ
ていたが、リーマンショック後の不景気により、2009年3月から、若い世代
も受けられるようになり急増。
本書ではその時のことを、「それを通達したのは厚労省の一課長によるもの」
と書かれていたが、何か含みがあるのだろうか。
生活保護を本当に必要としている人達が貰えていない現実がある一方で、
特権を得て働く意欲を無くし、生活保護が自立の妨げとなっている人達の
存在も指摘している。
思い起こせば私も、「立派な息子がいるのに生活保護を貰ってる。」「生活保護
でパチンコ通いをしてる。」などと陰口を叩かれてる人を、何人か見てきている。
ところで2018年現在の、生活保護受給者の半分は高齢者世帯だそうだ。
(本書の出版は2013年)
受給者には医療費の自己負担が無いことも、生活保護費が膨れ上がる原因と
なっている。
他にも外国人の生活保護や、年金生活者・非正規雇用の人との逆転現象が取り
沙汰されており、必要な人への支給は当然だが、難しい問題が山積みのようだ。