[内容]
最後の類人猿と言われる野生のボノボの生態と、保護の現状を解説。
[感想]
ボノボと言えば、あの有名なカンジを思い出すが、現在はカンジだけが特別の
天才猿ではないことも分かってきているそうだ。
ボノボは別グループと出会うと、大騒ぎにはなるが殺すことはなく、チンパンジ―
に比べて平和的な種だと言われている。 他の野生動物にみられる子殺しも無い。
生息地はコンゴ共和国で、野生では数千頭しか生き残っていないのではないか
と言われている(本書出版当時)。
原因は開発や内戦、食用の狩猟、そして密輸だ。
研究者達は村人に色んな制限を受け入れてもらう為に、現地の小学校や病院に
寄付をし、調査をする時は村人を雇って現金収入が生まれるようにしているそうだ。
親を殺されたボノボの子供の為の施設も作られている。
昔から少なからぬ人が、「人類は沢山の生物を滅ぼして、結局最後には自滅する。」
と警告しているが、それを防ぐためにこうして頑張っている人達がいる。
教えられることの多い本なので、ぜひ若い人にも読んでもらいたい。