ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

(映画)LIОN/ライオン25年目のただいま (デーヴ・パテール)  

 

 [内容]

迷子になった5歳の男の子が、25年後にグーグルで家族を探し当てる。実話。

             (2016年 製作国 米・英・豪)映画賞受賞

 

[感想]

1986年のインド。

5歳のサルーは、兄と一緒に石炭泥棒などをして家計を助けていた。

ある日遠い地で仕事を得た兄に、サルーも無理を言ってついて行った。

 

 

しかし駅で迷子になり、サルーはそれから2か月間、親切な人が警察に連れて

行ってくれるまで、駅の地下やゴミ溜めなどで生きていた。

 

 

すぐ孤児院に引き取られるのだが、それにしても、日本とのあまりにもの違い

に驚かされる。まず道行く大人が皆サルーに無関心で、話しかけても無視。

しかしそれもその筈で、インドでは浮浪児が珍しくないうえに、言語の種類が

多過ぎて、誰もサルーの言葉を理解出来なかったのだ。

 

 

サルーは幸運にも、オーストラリアの裕福な夫婦の元に養子に出され、そこで恵

まれた生活を送っていたが、大学生の時にグーグルアースで世界中の衛星写真

閲覧出来ることを知り、おぼろげな記憶を頼りに故郷探しを始める。

 

 

映画のタイトルで結果は分かっているのだが、それでもラストではもらい泣き。

しかしインドでは年間何万人もの子供達が失踪しており、この映画でも連れ去り

や人身売買のシーンがあって、この国の闇を思わずにはいられなかった。

 

本編終了後に、この映画のモデルになった本人の実際の再会シーンが流れる。