ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

読書感想『世直しトークあれこれ』(美輪明宏)

[内容]

スポーツ新聞のコラムをまとめたもので、世の中の出来事について幅広く語

られている。

[感想]

著者は歌手・舞台俳優で、著書も多数。

ここに改めて書く必要がないほど、一般的にはその華やかな出で立ちと、

同性愛者・霊能者としての印象の方が強く、美輪氏の本は多くの女性に人生

の指南書として影響を与えている。

 

本書は著者にしては珍しく男性の読者向けに書かれたもので、女性の読者を

対象にしたものとはまた違った面白さがあった。

 

内容は熟年離婚から戦争まで多岐にわたり、辛口でズバズバと切っていくが

根底に一本筋が通っている。

江原啓之氏と一緒に出演していたテレビ番組『オーラの泉』では、「誰も傷つ

くことがないように」をモットーとしていたそうだ。

 

以下に、本書から幾つかを抜粋。

「裏切りが欧米の歴史。それなのにアメリカがいるから大丈夫と勝手に思い

込んでいる。」

「未成年でも死刑があるよと-(略)-ブレーキを踏ませることこそ大事。」

「会社は株主のものだと主張する人がいるが、それは一人ですべての株を

持ってる場合の話。」

「人間に人格があるように、国にも品格がある。」

「いじめっ子は犯罪者と呼ぶべき。」

 

このコラムが書かれた時は韓流ブームだったためか、韓国に関してはおおむね

好意的な意見だったが、当時と様変わりした現在の日韓関係を見て、今の著者

なら何と言うだろうか。