[内容]
スポーツ新聞のコラムをまとめたもので、世の中の出来事について幅広く語
られている。
[感想]
著者は歌手・舞台俳優で、著書も多数。
ここに改めて書く必要がないほど、一般的にはその華やかな出で立ちと、
同性愛者・霊能者としての印象の方が強く、美輪氏の本は多くの女性に人生
の指南書として影響を与えている。
本書は著者にしては珍しく男性の読者向けに書かれたもので、女性の読者を
対象にしたものとはまた違った面白さがあった。
内容は熟年離婚から戦争まで多岐にわたり、辛口でズバズバと切っていくが
根底に一本筋が通っている。
江原啓之氏と一緒に出演していたテレビ番組『オーラの泉』では、「誰も傷つ
くことがないように」をモットーとしていたそうだ。
以下に、本書から幾つかを抜粋。
「裏切りが欧米の歴史。それなのにアメリカがいるから大丈夫と勝手に思い
込んでいる。」
「未成年でも死刑があるよと-(略)-ブレーキを踏ませることこそ大事。」
「会社は株主のものだと主張する人がいるが、それは一人ですべての株を
持ってる場合の話。」
「人間に人格があるように、国にも品格がある。」
「いじめっ子は犯罪者と呼ぶべき。」
このコラムが書かれた時は韓流ブームだったためか、韓国に関してはおおむね
好意的な意見だったが、当時と様変わりした現在の日韓関係を見て、今の著者
なら何と言うだろうか。