周りの人に相談するというやり方で、誰かを攻撃する人がいる。
昔、社宅の同じ班のAさんと、家の前で互いの子供(幼児)を遊ばせながら
立ち話をしていた時のこと。彼女が突然涙ぐんで俯いた。
驚いて訳を聞いたら「Kさん (近所の奥さん)が会社の社宅担当者に、うちの子
のタチの悪いイタズラに迷惑をしていると相談して、その結果私達の班の奥さ
ん達が集められ“注意勧告”を受けることになった。」と言う。
聞くとイタズラの内容は他愛のないもので、しかもKさんの子が同じ事をして
いるのを私は何度か目撃している。多分Kさんは我が子のイタズラには気付い
ていないのだろう。それにしても人事が本当にそんな事で動くのだろうか?
しかし集合の連絡はすぐに回ってきて、話し合いの当日になった。
まず人事の人から集合の理由の説明があり、次に「今後…」と言って話を続け
ようとしたら、1人の年配の奥さんが突然大きな声で質問した。
「そんな事の為に私達を集めたんですか?誰ですか?そんなくだらない相談を
したのは?」
人事の人は言葉に詰まり、Kさんを見ると顔が引きつっていた。結局話し合い
は早々に終わり、私もAさんもホッとして苦笑い。
後で知ったのだが、あの時質問した奥さんは事前に事情を把握していたそうで、
彼女が常識のある人で良かったと思うのと同時に、社宅の情報網に驚かされた。
人の集まる所には一人や二人 “性格に難あり” の人がいるものだが、今回の
ように普通の人が勘違いや意地悪、変な正義感などで突っ走ることもある。
中には被害者のような顔で悪口をまき散らす人もいるので、そんな時に片方の
話だけを鵜呑みにして短絡的な思考で人を傷つけたり、風見鶏になることだけ
は呉々も気をつけたいと思う。