[内容]
ナチス兵になりすまして、多くの同胞を救ったユダヤ人男性の実話。
[感想]
1944年、ドイツと同盟国だったハンガリーはナチスと決別しようとするが、ナチ
ス軍はハンガリー元首に圧力をかけ、ユダヤ人迫害を徹底させるべく動きだす。
ユダヤ人の若者エレクは、ある日突然他のユダヤ人の男性たちと共に、
労働収容所での奉仕を命ぜられ、奴隷のように働かされる日々となった。
空襲の混乱に乗じて友人と共に脱走するも、街には家族をはじめユダヤ人は
誰もいなくなっており、男達が収容されたのは、ユダヤ人の女子供を一掃する
為だったと知る。
エレクは、家族を探す為そして同胞を救う為に、殺したドイツ兵の軍服をはぎ取
って、ナチスになりすますことを決意。
それからは、収容所に連行される人々の列や処刑現場に現れては、上官として
中止命令を下し、大勢の人を助けていくのだが、これが見ていてハラハラもので、
よく ばれなかったものだと思う。
だが救えば救うほど、逆に救えなかった人たちのことを思って苦悩するエレク。
恋人の支えが無かったら、続けられなかったかもしれない。
「保護状」を発行して、命がけでユダヤ人を助けたスイス領事など、有事の時に
こそ人としての真価が問われる、そんな場面が沢山あった。
本編終了後に、この映画のモデルとなったドイツ兵のその後の映像が流れるが、
今回はユダヤ人だけではなく、ドイツ人の子孫の思いについても考えさせられた。
日本とは背景も状況も異なるが、韓国が以前にも増して反日感情を深めている
のを、連日報道で目にしてるからかもしれない。