[内容]
日本軍の捕虜収容所で、逞しく成長していく少年の姿を描いた、戦争ヒュー
マンドラマ。 (1987年 製作国 アメリカ)
[感想]
全部で2時間半あるが、途中でだれることも無く、見応えのある映画だった。
戦闘シーンは少ない。
イギリス人のジム(11才)は零戦に憧れる、少し甘やかされた少年だった。
1941年、両親と共に上海で裕福に暮らしていたが、日本軍の侵攻から逃げる
途中、人混みの中で両親とはぐれてしまう。
やむなく今まで住んでいた家に戻るが、使用人だった中国人達が家具を盗み
出してる最中で、おまけに助けてくれると思った女中に、冷たい顔で頬を平手打
ちされる始末。
その後街中をさまよってる時に、アメリカ人の小悪党ベイシーに拾われ、泥棒を
しながら生きていたが、日本軍に捕らえられて長い捕虜生活が始まる。
収容所でボス的存在となったベイシーの下で、ジムは人一倍世渡り上手に成長
し、合間に同じ捕虜の医師に勉強を教えてもらったり、淡い恋心を抱いていた美
しい貴婦人の最期に立ち会うなど、様々な経験をしていく。
数年後収容所がアメリカ軍によって襲撃され、捕虜たちは過酷な移動を強いら
れる。この時ジムが、日本に投下された原爆の閃光を目撃するシーンや、若い
日本兵と心を通わすシーンがあるのだが、日本と日本兵の末路を思って切なか
った。
ラストでは静かな感動が伝わってくる。日本の有名俳優も何人か出演しており、
日本軍が残酷な侵略者としてではなく、同じ人間として描かれてるのが嬉しい。