「内容」
著者は春日大社の宮司で、前職は医師。神道や生き方について語っている。
「感想」
著者(10年前に死去)の人生には、いつも不思議な神のお導きがあったと言う。
例えば医学生の時には、重い結核が忽然と消えてしまうなど、まるで神の
思し召しとしか思えないような不思議な出来事が起きている。
医師の仕事をしながら通信教育で神職の最高階位を取得するなど、大変な
勉強家で知識も幅広い。
鎮守の森が存在する意味、祝詞の効果、神道と仏教の関わり等についても
詳しく解説されており、色々と勉強になる本だった。
私自身は、初詣には行かず、祝詞も知らず、厄払いもしたことが無い。
子供達の七五三はしたけれど、お宮参りは3人共、私の入院や突然の転勤
などで結局やらずじまいだ。
こんな具合で神道とは殆ど無縁に生きているようだが、実際は40代半ば頃から
毎朝欠かさず神棚の前で手を合わせ、結構真面目に感謝の祈りを捧げている。
本書と出会えて良かったと思っているが、多分私のこの姿勢はこれからも変わ
らず、だからといってカミサマに叱られたりはしないだろう。
著者の「神道は宗教ではなく、それを戦後無理やり宗教法人にしたのが間違い
のもと。人体も宇宙としてとらえ、循環とバランスの世界に生かされていることに
感謝して生きることが大事。」の言葉が心に残る。