ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

脳の中の幽霊 (V・Sラマチャンドラン) 角川書店

[内容]
脳の損傷による幻視・幻聴・痛みなどを、実験を元に解説している。

 

[感想]
分厚い本で、開いてみたら小さな字がビッシリでしかも2段組みだ。
一瞬ひるんだが、とても分かりやすく書かれていて、想像以上に面白かった。
(専門用語が並ぶ難しい箇所は字面を追っただけ)

著者が診てきた患者たちの症例が沢山紹介されていて、興味深い反面、
脳というのは怪我や病気でこんな壊れ方もするのかと、怖さも感じた。

著者の場合、原因の解明だけを目的とした実験ではなく、患者に負担を掛け
ずに治療の道を探っているところが素晴らしい。
出版が1999年と少し古い本なので、その後の研究結果が気になる。

※調べたら続編も何冊か出ていた。特に“感覚ホムンクルス”や、“神を
 感じる瞬間”などについてはどんな風に考えが深められたのか、読むのが
楽しみだ。