[内容]
幼馴染の女性が橋から転落死し、兄は被告席に、弟は証言台に立つことに。
(2006年 製作国日本) 映画賞受賞
[感想]
東京でカメラマンをしている猛(タケル)が、母親の一周忌で久し振りに故郷に
帰って来た。しかし猛は父親と折り合いが悪く、会食の席で一触即発の状態
になる。そこへ兄の稔(香川照之)が間に入って、上手にその場を収める。
この兄弟は性格も生き方も対照的だった。父親と暮らす兄は、家業のガソリン
スタンドを継いで親戚に何くれとなく気を配り、女性には縁遠い地味な性格。
対して弟は都会で好きな仕事をして、自由奔放に生きていた。
ガソリンスタンドには、幼馴染で昔猛の恋人でもあった智恵子が働いていた。
法事の翌日3人で渓谷に遊びに行くのだが、その時智恵子が無邪気に遊ぶ稔を見
ながら「あの人、(2人の仲に)気付いてるんじゃないかと怖くなる。」と呟く。
この後智恵子が吊り橋から落ちて亡くなり、その時側にいた稔が警察に逮捕さ
れてしまう。智恵子は稔に突き落とされたのか、それとも事故だったのか。
その瞬間を目撃していなかった猛は稔を庇うが、稔の態度に少しずつ不信感を
抱くようになり、最後の面会で口論になったことで、本当は稔が故意に突き落と
したのだと思い込む。猛は兄を見限り、法廷での証言により稔の有罪が確定した。
7年後稔が出所する直前、偶々昔渓谷で兄弟で遊んだ時のフィルムが出てきた。
猛はそれを見ながら回想している内に、自分が大変な勘違いをしていたことに
気付く。
この映画は、香川照之とオダギリジョーの心の内の表現が素晴らしく、何度も見
入った。ラストの稔の笑顔の意味は何だったのだろう。