「内容」
殺人事件で告発された母と、真実を見届ける為に帰郷した娘の確執と絆の物語。
(1995年 製作国アメリカ)
「感想」
アメリカの小さな島で暮らすドロレスは、長年富豪の老女にメイドとして仕えて
きたが、ある日この女主人を殺害した容疑で逮捕されてしまう。
都会でジャーナリストとして働いていた娘のセリーナは、その記事を見てすぐに
母の住む故郷の島に向かったが、胸の内は複雑だった。
2人の間には長年の確執があり、原因は20年前の日食の日に起きた父の事故死だっ
た。しかもセリーナは自分でも気づかずに、自分が父親から性的虐待を受けてい
たこと、母も夫からDVを受けていたことを、完全に記憶から消してしまっていた。
ドロレスが夫を回想するシーンと、セリーナが父親を回想するシーンは、まるで幻覚
を見るように突然始まり、観客にも今起きている事のようにリアルに伝わって来る。
20年前、娘の教育資金まで使い込む夫に悩むドロレスに対して、長年夫の愛人問題
に苦しんできた女主人は、「殺しなさい。私もそうした。」「事故は不幸な女の
いい友達よ。」と言う。
“女主人殺し”の調停の日、母を敵視してきたセリーナは結果を聞かずに都会に
戻ることにした。しかし帰る直前に母から“告白”のテープを渡され、その内容に驚い
て母の弁護をする為に引き返す。
ドロレスの母としての深い愛がせつなく、セリーナの弁護も最後まで目が離せない。
主演のキャシー・ベイツは、『ミザリー』でアカデミー主演女優賞を受賞したベテ
ラン。今回のこの役は特に良くて、サスペンスとしても期待を裏切らない内容だった。