ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

年々、亡き母を想う気持ちが強くなっている。

 20歳を少し過ぎた頃のこと。ある会で隣の席の人(初対面)に「何人兄弟?」

と聞かれ、「6人きょうだいの真ん中です。」と答えたら、「随分多いね。つい

でに育った?」と冗談口調で言われた。他意のある感じはなく、私は苦笑い。

 

親がちゃんと育ててくれたのは分かっている。

しかし子供が多い分、中々手が回らないのはその通りだったかもしれない。

又、私は手のかからない子供だったそうで、母に叱られた記憶が殆ど無い。

学芸会の配役に例えると、“森の木”に近かったかも(笑)。

 

そんな感じだったので、一度母が、誰でもない私の為にセーターを編んで

くれた時は、“準主役”に選ばれたくらい嬉しかったのを覚えている。

 

21歳になる少し前、自動車免許を取った時のことだ。

父の車を借りて夜の運転の練習をしようと外に出たら、心配顔だった母が

突然「死なば諸共だ!」と、助手席に乗り込んできたので驚いた。

 

だが、母がいつも子供達を思っていてくれたことに、本当の意味で気付いた

のは、ご多分に漏れず自分の子を持ってからだった。

 

心臓弁膜症を患ってた母が63歳で亡くなった1年後、突然胸にぽっかりと

穴があいたような、大きな悲しみに襲われた。

結婚後母とは地理の関係で滅多に会えなかったが、こんなにも心の支えにな

っていたのかと、感謝の気持ちで一杯になり、今更ながら、昔からの諺

「孝行したい時分に親はなし、石に布団は着せられず。」の言葉が身にしみた。

 

ちなみに私ら5姉妹の、亡き母への思いは面白いほどバラバラだ。