「内容」
死刑囚監房の刑務官と死刑囚たちの、悲しくも不思議なヒューマンドラマ。 (1999年 製作国アメリカ)映画賞受賞
「感想」
1932年、幼い2人の女の子を殺した罪で、黒人の大男ジョンが死刑囚棟に送り込
まれて来た。しかし彼は人殺しどころか、むしろ小心な心優しい人間で、病気
や怪我を治す不思議な能力を持っていた。
懐かせたネズミに愛情を注ぐ死刑囚や、頭のおかしい男、他にも色々な囚人が居
て様々な事が起きるが、道徳を重んじるポールと看守たちが協力して解決していく。
しかし、そこへ最悪の新人が配属されてきた。
この男、強いコネを笠に傲慢な態度で、ここに就職した目的は一度死刑執行
をやってみたかったからと言い、想像を斜め上にいく事件を起こす。
圧巻はジョンがその能力で、ある女性の病を治し、新人看守に罰を与えるシーンだ。
終盤で108才の老人となったポールが、
「愛する者たちの死を見ねばならんのが私の罰だ。」と、穏やかな表情で、諦めとも
悟りともつかない言葉を呟く。
囚人に可愛がられていたあのネズミも長生きして、ポールの傍に居るのを見た時は、
笑みがこぼれた。同時に、彼の境遇は決して神の罰などでは無いと思った。
3時間ちょっとの映画だが、良質な内容で、長さは全く感じなかった。