ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

ふんばれ、がんばれ、ギランバレー! (たむらあやこ)講談社

 

 

「内容」

22歳の時に突然難病に襲われた女性が、自分自身の闘病生活を漫画で綴る。

 

「感想」

ギランバレー症候群というのは、抗体が自らの神経を攻撃してしまう病気で、

著者は重症だったため、痛みや苦しみが半端ない。

 

 

しかし、どんなにか辛かろうと思われる場面でも、面白おかしく描かれており、

その為ついつられて笑ってしまうが、闘病内容は壮絶で、時々胸がつまった。

 

 

 『Т君にあげた馬の絵』は、大怪我の為に回復不能と見られていた元騎手

青年の為に、彼の大好きな馬の絵を描いてあげた時の話で、

体にムチ打ってその絵を描く様子と、そこまでして絵をプレゼントしようとする

著者の思いに、私ももらい泣き。

 

本にはその馬の絵も載っており、「技術面ではなく、この絵を越えられる絵は

もう描けないと思います。」という言葉通り、心のこもった絵だ。

 

 

人を笑わせるセンスもさることながら、治療法からリハビリ、見舞客としての心遣い

などの説明も分かりやすく、色々と教えてくれる。

又、現在症状は和らいでいるが、病気は完治しないそうで、それでも前向きに

頑張る姿に励まされる読者は多いと思う。

 

 

途中何度か、丸々1頁を使ったパロディ名画がドーンと登場するのだが、これが

面白くて次はどんな絵が登場するかと、楽しみにしながら頁をめくった。

 

 

YouTubeの「たむらあやこ」で、著者の2本のインタビュー動画が見られる。