「内容」
22歳の時に突然難病に襲われた女性が、自分自身の闘病生活を漫画で綴る。
「感想」
ギランバレー症候群というのは、抗体が自らの神経を攻撃してしまう病気で、
著者は重症だったため、痛みや苦しみが半端ない。
しかし、どんなにか辛かろうと思われる場面でも、面白おかしく描かれており、
その為ついつられて笑ってしまうが、闘病内容は壮絶で、時々胸がつまった。
『Т君にあげた馬の絵』は、大怪我の為に回復不能と見られていた元騎手
の青年の為に、彼の大好きな馬の絵を描いてあげた時の話で、
体にムチ打ってその絵を描く様子と、そこまでして絵をプレゼントしようとする
著者の思いに、私ももらい泣き。
本にはその馬の絵も載っており、「技術面ではなく、この絵を越えられる絵は
もう描けないと思います。」という言葉通り、心のこもった絵だ。
人を笑わせるセンスもさることながら、治療法からリハビリ、見舞客としての心遣い
などの説明も分かりやすく、色々と教えてくれる。
又、現在症状は和らいでいるが、病気は完治しないそうで、それでも前向きに
頑張る姿に励まされる読者は多いと思う。
途中何度か、丸々1頁を使ったパロディ名画がドーンと登場するのだが、これが
面白くて次はどんな絵が登場するかと、楽しみにしながら頁をめくった。
※YouTubeの「たむらあやこ」で、著者の2本のインタビュー動画が見られる。