ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

[映画]  隠し剣 鬼の爪 (主演)永瀬 正敏 

 

 

「内容」

上級武士の理不尽な所業に怒り、一人秘かに戦った後に身分を捨てた男の物語。

                2004年  製作国 日本) 映画賞受賞

 

「感想」

近代化の波が押し寄せる幕末。

東北の下級武士・片桐宗蔵は、心の真っすぐな男で、妹と女中の きえを嫁がせ

た後は、貧しいながらも下男と年老いた女中と共に穏やかに暮らしていた。

 

 

ある日、謀反の罪で投獄されていた友人の弥市郎が脱獄し、人質を取って民家

に立てこもってしまう。

その弥市郎成敗に白羽の矢が立ったのが、彼と同門で、腕の立つ宗蔵だった。

宗蔵は苦悩するが、結局弥市郎と対決することになる。

 

 

横暴で卑劣な家老、きえの嫁ぎ先の鬼のような姑、この2人の極悪ぶりに対して、

時代的には許されないことだが、正義を全うした宗蔵。

 

家の格によって全てが決まるこの時代の、理不尽と無念がヒシヒシと伝わってくる

映画で、ここぞという時に永瀬正敏が凄みのある演技を見せてくれる。

 

 

“能ある鷹は爪を隠す”は、この現実世界でもよくあることで、私も何度か、目立たず

出しゃばらずの人が、いざという時に能力や行動力を発揮して驚かされた事がある。

逆に、恵まれた立場や地位にいて偉そうにしている人の、なりふり構わず

保身に走る姿を見せられた時は、「やっぱりな…。」だったが。

 

 

百姓の娘である きえの、身分をわきまえた慎み深い恋心がいじらしく、

暗殺剣を扱う男の純情な東北弁と、自分を迎えに来た宗蔵に戸惑いながらも

「それは旦那様のご命令でがんすか?」とはにかむ きえが可愛い。

 

隠し剣 鬼の爪 通常版 [DVD]

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