次男が小1の時のこと。隣の家の前で立ち話をしていた奥さん達のすごい
悲鳴が聞こえ、私はすぐに玄関から外に飛び出した。
そこで私の目に飛び込んできたのは、大きなウシガエルの両脇を抱えて、満面
の笑みで歩いてくる次男の姿だった。
ダランと足を伸ばしたそのウシガエルが、一瞬産まれたての裸の赤ん坊のよう
に見えて、私も肝が潰れそうになった^^;。
息子は数時間程ウシガエルと遊んでから、約束通り元いた場所に逃がしてきた。
この時何人か近所の子達も一緒にいたのだが、実は以前その中の親の一人から
「危険なのでうちの子(幼稚園児)を連れて歩かないよう、息子さんに言って下さ
い。」と言われたことがある。
次男にはいつもハラハラさせられていたが、幼稚園児にとっては、ワクワクさ
せてくれる兄貴分だったようで、息子に親ごさんが心配していたことを話した
ところ「あいつら、帰れって言ってもずっと付いてくるんだもの~。」と困り顔。
そんな子供時代を過ごした次男が終の棲家に選んだのは、自然豊かな広々とし
た郊外だった。庭には時々小動物が遊びに来るそうで、息子の奥さんからの写
メ―ルに可愛いタヌキが写っていた時は、本気で羨ましかったものだ。
今から10年程前のこと。田舎への憧れの他にも思うところがあって、同居の三男
に県内の別荘地への引っ越しを打診してみたところ、即答で却下された。
うちのすぐ近くには大きなフューチャーシティがあり、他にも色々便利なこの
環境に慣れた三男にとっては、田舎の“激安中古別荘”に引っ越そうだなんて、
「何の罰ですか?」だったのかも知れない(笑)。
今私は歳を取って病院通いが増え、車の免許を返納したこともあって、今更な
がら徒歩圏内に病院があるこの場所から引っ越さなくて良かったと思っている。
で、最近はもっぱら、早朝に放映される“世界の絶景”を楽しんでいる(^^)。
余談になるが、先日次男宅の庭に (初めて)野生の猿達が出没したそうで、悪さを
したわけでは無いが、ボス猿の迫力に「目が合った時は勝てる気がしなかった。」
と驚いていた。
私はこれを聞いて、改めて思った。これ以上 (日本中の)野生動物の棲む場所を
奪うような開発は、人間の為にもやめてほしいと。