[内容]
副題は『ゴミ清掃員が見たあり得ない光景』ゴミ清掃員となったお笑い芸人
が、ゴミ収集のあれこれと、現場から見えた社会と人々の姿を綴っている。
[感想]
著者は36歳の時、生活の為に非常勤のゴミ清掃員となり、現在も兼業で
この仕事を続けている。
ユーモアのある文章で、“日常のつぶやき”は漫画で表現。時々笑いながらも
この仕事の大変さと、ゴミについて真面目に考えさせられた。
ゴミから色々なことが見えるという。例えば地域性と治安、社会の格差、捨
てた人の無意識、お金の使い方等々。
よく外国人労働者はゴミ出しのマナーが悪いと言われるが、本書を読むと
一部の日本人も大差ないことに驚かされる。
日本のゴミの量の多さは世界一で、2位のフランスの2倍近くあり、
焼却所の数は2位のアメリカの3倍近くで、これも世界一だとか。
埋立地の寿命には限度があり、どの県も埋立地が残り少ないことから、リサ
イクルが呼び掛けられている。
ゴミを減らすには飲食業の廃棄を減らすなど、やるべき事は沢山あり、
個人が出来る事として「安い物の使い捨てを止める」「リサイクルをする」
「買い過ぎない・作り過ぎない・食べ残さない」を挙げている。
生ごみの80%は水分なので、ゴミとして出す時はなるべく絞るようにとも。
その他、「金持ちではない地域は、酒たばこのゴミが圧倒的に多い。」「治安
が悪い場所のごみ集積所は汚い」など、さもありなんな話や、「小さなビニ
ール袋で沢山ゴミを出す時は、結んで出してくれると手間が省ける。」など、
ミニ工夫的な話も面白かった。