ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

タブーの正体 (川端幹人)  筑摩書房

「内容」

マスコミが報じなかったスキャンダルを、全て実名で紹介しながら何故タブー

なのかを解説している。 副題は『マスコミが「あのこと」に触れない理由』

 

「感想」

本書ではメディアタブーの要因を、暴力・権力・経済の3つに分け、主に「皇室」

「政治権力・警察・検察」「広告主としての大企業」「芸能プロダクション」

「同和」などについて書かれている。

 

覗き見レベルの暴露本ではなく、報道機関は何故ここまで自主規制するのかを、

自分の失敗経験も含めて具体的に解説。

 

“自主規制”の理由は、権力者から圧力をかけられる、暴力による報復を恐れた

へっぴり腰、名誉棄損の賠償額高額化などの他、結局はマスコミも営利企業で、

スポンサーを怒らせるわけにはいかないからだ。

その結果、抵抗の弱い相手にだけ強い態度に出るということらしい。

 

著者は休刊した月刊誌『噂の真相』の元副編集長で、私は一度も読んだことが無か

ったが、“真意不明のイエローペーパー”と言われていたそうだ。

 

しかし鵜呑みに出来ないという点では、「世論誘導的で、まるで思想集団の機関紙」

と言われる一部の大手マスコミや、ネットに氾濫するフェイクニュースも同じで、

一般の人間は何を信じてよいのか分からないのが現状だ。

 

私が本書を読んで特に驚かされたのは、電通、検察、電力会社で、是非彼らの

言い分も聞いてみたい。それにしてもマスメディアの残念さは想像以上で、異論・

反論も多いと思うが、ネットで検索すると「マスコミは腐ってる。」という見出

しがズラッと出て、憤ってる人の多さに驚かされる。