「内容」
マスコミが報じなかったスキャンダルを、全て実名で紹介しながら何故タブー
なのかを解説している。 副題は『マスコミが「あのこと」に触れない理由』
「感想」
本書ではメディアタブーの要因を、暴力・権力・経済の3つに分け、主に「皇室」
「政治権力・警察・検察」「広告主としての大企業」「芸能プロダクション」
「同和」などについて書かれている。
覗き見レベルの暴露本ではなく、報道機関は何故ここまで自主規制するのかを、
自分の失敗経験も含めて具体的に解説。
“自主規制”の理由は、権力者から圧力をかけられる、暴力による報復を恐れた
へっぴり腰、名誉棄損の賠償額高額化などの他、結局はマスコミも営利企業で、
スポンサーを怒らせるわけにはいかないからだ。
その結果、抵抗の弱い相手にだけ強い態度に出るということらしい。
著者は休刊した月刊誌『噂の真相』の元副編集長で、私は一度も読んだことが無か
ったが、“真意不明のイエローペーパー”と言われていたそうだ。
しかし鵜呑みに出来ないという点では、「世論誘導的で、まるで思想集団の機関紙」
と言われる一部の大手マスコミや、ネットに氾濫するフェイクニュースも同じで、
一般の人間は何を信じてよいのか分からないのが現状だ。
私が本書を読んで特に驚かされたのは、電通、検察、電力会社で、是非彼らの
言い分も聞いてみたい。それにしてもマスメディアの残念さは想像以上で、異論・
反論も多いと思うが、ネットで検索すると「マスコミは腐ってる。」という見出
しがズラッと出て、憤ってる人の多さに驚かされる。