顔はちょっぴり恐いけど
皆で一斉に手を広げて陽を浴びる姿は
何ともユーモラスで可愛いです (^^)。
顔はちょっぴり恐いけど
皆で一斉に手を広げて陽を浴びる姿は
何ともユーモラスで可愛いです (^^)。
[内容]
心理学者と脳科学者が、心と脳について箱庭療法・夢分析などを用いて対談。
[感想]
目次「心と脳の不思議」「箱庭と夢と無意識」「『魂』を救う対話」
上記の3つが其々19の項目に分けられていて、「一つの事例は府遍に通じる」
「『シンクロ』はどうして起こるか」「相手の『魂』だけを見つめる」等々、
どれも分かり易い例えを用いた解説で、スンナリ読み進むことが出来た。
“箱庭”には患者の無意識が表れると言われる。以前その様子をテレビで見たこ
とがあるが、プロと言えどその意味を正しく読むのは難しいだろうなと感じた。
※箱庭療法 = 心理療法の一つで、砂の入った箱の中に、人や動植物、乗り物
などの玩具を使って自由に何かを作ってもらう。
睡眠中に見る夢には、意識で選ばなかったことが抑圧された形で出てくるそうで、
人はそのようして、生きる中で無理をしている部分を調整しているのだとか。
これからはこの事を意識して自分の夢を分析するのも面白いかも知れない。
下記は“関係性”について解説された不登校の子の実例で、似たような話は結構あり
そうだ。
ある教師が“行動療法”を用いて、不登校の生徒(B君)に「まず玄関まで」次は
「あの角まで」という具合に、どんどん学校に近づけるように導いたところ、B
君はとうとう保健室にまで来られるようになった。
ところがある日、他の先生に「ここまで来れるんやったら、教室に行って、勉強
せい!」とやられ、驚いたB君は家に帰ってしまい、それ以来学校には来られな
くなってしまった。
ここで大事なのは、「“関係性”とは心のつながりである」ということ。
教師とB君との関係性で行われていたことが、他の先生の不用意な言葉でそれが
切れてしまい、元の木阿弥になってしまったわけだ。
教師に限らず大人は皆、せっかく積み上げたものを短絡思考でぶち壊してしまわ
ぬよう、意識して気を付ける必要がありそうだ。
下記の3つは、科学の世界の人達はこれとは正反対の思考の人が多そうなので、
少しホッとした気持ちになった言葉だ。
「脳科学がこれだけ進んで-(略)-それで心が分かると言うのは間違い。」
「その人を本当に動かしている根本の『魂』…これと自分は勝負している。」
「プロファイリングに引きずられてはいけない。それは魂とは関係ない。」
アル中の人を初めて見たのは高校生の時だった。学校から帰ると家の前に近所の
おじさんが立っていたのだが、身体はユラユラと定まらず目が据わっていた。
通り過ぎようとしたら、突然「おい、千円貸してくれ。高校生ならそのくらい持
ってるだろう。」と言われ、咄嗟に「ありません。」と言って家に逃げ込んだ。
後で母に聞いたら知る人ぞ知るアル中で、何故かその日以来姿を見なくなった。
その後もこの齢になるまで、電車の中や花見の場などで、泥酔してクダをまいた
り大声で悪態をつく男性を何度か見たことがあるが、何故あんなになる迄飲むの
か。家族はたまったものではないだろう。
夫が断酒会の会員だという知人が、テレビからこれでもかと流れるお酒のCMを
嘆いていたことがあった。酒の広告に厳しい規制を設けている国が多い中で、確
かに日本は野放し状態だ。
お酒で身体や人生を壊してしまう人の多さを考えたら、「悪いのは酒に呑まれて
しまう人間の方」…なんて言ってる場合じゃないと思うのだが。
以前囲碁を習っていた時のこと。碁会所には午後一番の空いてる時間帯に行って
いたのだが、そこで時々見かける老人がいた。その人はいつもお酒の匂いをプン
プンさせていて、先生から「昼間っからそんなに飲んでたら駄目だよ。」と注意
されることもあった。
実はこの人は知人(Оさん)の親戚で、腕の良い職人だったがアル中のために妻子
と別れ、その後病気をして今は生活保護で暮らしているのだとか。
私が碁会所に通い始めてから数年後に亡くなったのだが、Оさんが彼の息子さん
に「葬式をあげてやってほしい。」と言ったところ、遺骨は引き取ってくれたが
「母も私も酒乱の父から苦しめ続けられました。」と言って断られたという。
お酒を飲むと暴れる…という人は少なくないようで、別の知人女性は「中学の時
迄、アル中の父親からボロ雑巾のように殴られていた。」と話していた。
母親は彼女が赤ん坊の時に逃げ出して離婚。2つ年上の兄は、彼女が殴られ始め
るとソロ~ッと二階に上がって行ったという。
その後不良仲間とつるんでいた時期もあったそうだが、恵まれない人を思いやる
心は人一倍強く「自分、親に見捨てられた子だから、他人事とは思えないんだぁ。」
と笑っていた。
事程左様にアルコール中毒は心身を蝕み、家族を苦しめ、それなのにどこでも
簡単に買うことが出来るから厄介だ。
これはロウフラワー教室に通い始めた頃に作った花。
造花に水は必要ないので、花挿しの種類が豊富です。
私の先生はアートフラワー講師の資格も持っていたので、
お宅にお邪魔する時は、沢山のハイレベルなお花の他に、
それらの花器を眺めるのも楽しみの一つでした。
[内容]
先進国では今、“上級国民” 対“下級国民” という分断が起きており、本書で
は世界がこのような状況に至った歴史と現況を深掘りして考察。
[感想]
著者は多数のヒット作を輩出している作家。元宝島社の編集者で、本名は非公開。
“上級国民”と言えば、2019年の池袋暴走事故を思い出す人も多いと思う。この時
に加害者(87才)が無罪を主張したことと、すぐには逮捕されなかったのは旧通産
省出身だったからではないかと世間の反感を買い、一気にこの言葉が広まった。
表紙に「みんな薄々気づいている『言ってはいけない』分断の正体」とあるが、
確かに言いづらい事もズバリと書かれていて、面白く読ませてもらった。
先進国では「知識社会化・リベラル化・グローバル化」が進み、国全体としては
豊かになっているが、国民は数少ない富裕層と多くの貧困層で分断されている。
著者は、この格差は“知能の差”に起因しているとして、日本及び他国の産業・雇
用の特徴と変遷を、様々な統計の数字から分析して分かり易く解説。
日本経済の低迷の原因としては、規模の大きな製造業などがコスト削減の為に
積極的に海外に進出していること、日本は欧米に比べて開業率が低いこと、外
国人投資家による投資が少ないことなどを挙げている。
その中でも日本の雇用形態に関しての解説は、歯に衣着せぬ表現で特に面白かっ
た。以下に、その一部を要約したものを2つ。
・日本では労働組合によって、既得権を持つ正社員だけが過剰に保護されており、
製造業の工場の海外移転と、非正規比率の急増はこれで説明できる。
・団塊の世代は政治家にとって最大の票田。彼らの利害が、会社→年金に移った
ことでようやく “働き方改革”が進められるようになったが、逆に“社会保障改革”
は困難になった。
現代日本社会において、“下流”の大半は高卒・高校中退者で、男女共に学歴が低
い人は幸福度も低いという統計結果が出ているという。
又、社会的・経済的地位のある男性を指して、「“持てる者(上級)”はモテる者であ
り、彼らの中で結婚と離婚を繰り返すことの出来る者は、事実上の一夫多妻であ
る。」と解説。
成程そういう捉え方もあるかと少し笑ってしまったが、反対側には、大勢の
“非持て(下級)で居場所が無い”と言われる人達の存在がある。
彼らを自己責任だと一刀両断するむきもあるが、例えばオランダのように均等
待遇が法制化(本書58頁)されたら、日本も非正規だからと彼らを低賃金で差別す
ることは出来なくなる。それをしないのは、その方が国にとっても企業にとって
も都合が良いからだろう。
アメリカを始め世界の歴史と現況についての解説の後、著者はこうも言っている。
「グローバル化によって数億人が貧困から脱出したことで、世界全体における
不平等は急速に縮小しているのです。」(←特に中国とインド)
その他、本書で印象深かったものを2つ。
・アメリカでは、マイノリティの優遇措置によってレベルの低い専門家 (医師や
法律家など)が生まれているとして、 一部の黒人の間から、黒人に対するすべて
の優遇措置の廃止を求める声が上がっている。
・著者は日本でベーシックインカムは不可能と見ており、理由をこう書いている。
「 (略)仕事などせず海外の貧しい女性に子どもを何人も産ませて、楽に暮らそう
と考える日本人の男が大量に出てくることは間違いありません。」←そうかも(笑)。
著者は最後に、現在の知識社会のこの現象(上級/下級)は「知識が不要になるくら
いAIが発達した時に終わる。」と予測している。
本当にそんな時代が来たら、今とは別の意味で恐いかも…。
小学5・6年生の頃はよく、近所の小山や海辺のぶらぶら歩きを楽しんでいた。
子供同士で遊ぶのも好きだったが、この時だけは必ず一人でと決めていた。
何がそんなに気に入ったのか。実はその時に心奪われていたのは、空や海、山
などの自然の圧倒的な色の美しさだった。ある時など感動のあまり、この世界
に色があることに思わず「有難う」と呟いたことも。
私が人の描いた絵でハッとするのは、技術的に優れたものや独創的なものより、
美しくも絶妙な色使いの絵に出会った時だ。
残念ながら自分で絵を描く時は、形をとることや色付けに精一杯で、未だ“色
に一番こだわった絵”には挑戦出来ていないが。
近頃ネットで、白黒写真に着色したものを見かけるようになった。
昔はそういう写真はどこか不自然だったが、最近のものはどれを見ても自然な
色合いで、かの時代の人々が急に身近に感じられるから不思議だ。
私が持っている写真集は『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』
白黒だった時とは違ったリアル感があり、中にはまるで語りかけてくるような
ものまである。 (ネットの“画像”で何枚か見ることが出来ます)
どうしてこんなにきれいに再現できるのだろうと思ったら、説明文に「最新AI
技術と当事者への取材や資料を基に人の手で彩色されたもの。」とあった。
AIの素晴らしさは勿論、人の感性によるところも大きいようだ。
最近は素人でも、白黒写真を簡単にカラー化できるアプリやサイトが幾つもあり、
どれを選ぶのが良いか目的別に親切な説明もされている。
私もいつか、実家の昔の家族写真をカラーにしてみたいと思っているのだが、思
うだけで延び延びになっている。で、最近は他力本願で、出来れば身内の誰かが
その気になってくれないかと、勝手に期待を抱いている^^ 。