ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

アイ・イン・ザ・スカイ世界一安全な戦場(主演)ヘレン・ミレン

「内容」

外国での戦場の様子を動画で見ながら、会議という形で戦争をする人達。

良作で戦闘シーンは少ない。   (2015年 製作国 イギリス) 映画賞受賞

「感想」

ロンドンの一室で、イギリスの上層部の人間達が見ているのは、小型ドローンに

よって映し出された、ケニアのとある場所だった。

画面では女の子が父親お手製のフラフープで遊んでいるが、父親の裏の顔は

テロに加担する過激派で、母親は本国から指名手配されている英国人だった。

 

軍は6年間彼女の居所を追っていたが、今は全ての情報を掴んでいて、ドローン

(偵察攻撃機)を使って、彼女を逮捕しようとしていた。

画面を見ながら指揮を執っているのは、イギリス軍のベテラン、キャサリン大佐

で、現地で逮捕を実行するのは英米ケニア3国の合同軍だ。

 

しかしその直前、一人の男が町に出てテロを決行しようと、爆弾チョッキを着ける

画面が映し出され、少女を犠牲にしてもテロリストへの攻撃を優先すべきか否か

の議論が始まる。

 

思惑の違う軍人・官僚・政治家の三者の衝突は激しく、中でもモラルや国益を説い

てみせる官僚や政治家の自己保身が凄い。

彼らの、現場を無視した干渉とも言える態度に、キャサリン大佐のイライラと焦燥が、

観客にもビシビシと伝わって来た。  

 

10月27日に、ISの最高指導者が米軍の急襲を受け自爆により死亡したというニュ

ースが流れたが、その様子をホワイトハウスの作戦指令室で、リアルタイムで見て

いたトランプ大統領が、「まるで映画をみているかのようだった。」と言った。

 

今日感想を書いた映画の副題も、正に「世界一安全な戦場」。

世界はトランプ大統領のこの言葉を、どう受け止めたのだろう。