ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

〔映画〕 ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日

  

「内容」

海難事故で唯一人生き残った少年とベンガルトラの、命をかけた漂流のドラマ。

      (主演) スラージ・シャルマ (2012年  製作国 アメリ) 映画賞受賞

 

「感想」

インド系カナダ人のパイは、生まれてから16年間、動物園を経営する両親

や兄と共にインドで暮らしていた。

 

 

ある日パイは父親から、経営難のため家族でカナダに移住すると告げられ、

動物たちも荷物と一緒に船底に積み込まれた。

しかし太平洋上で海難事故に遭い、船は沈没してパイは唯一の生存者となる。

 

 

ライフボートには最初、他の動物も何頭か居て一触即発の状態だったが、順に

死んでいきトラだけが残った。

 

 

パイはボートに有った遭難マニュアルを読んで筏を作り、備え付けの缶詰などを

食べながら自分は筏で過ごし、ボートのトラには毎日魚を捕まえて与えていた。

そんな日々を過ごすうちに、最初はトラには恐怖しかなかったのが、餌を与える

ことが生きるための活力となっていく。

 

 

延々海の上の話なのに、激しい嵐など次々とアクシデントが起こるため、全く飽

きさせない。特に星空の下の夜光魚や、海中の幻想的な生き物たちの様子は、

スケールが大きくて、見とれるほど美しかった。

 

漂着した海岸で救助される直前、ガリガリにやせ細ったトラがジャングルへと

立ち去るシーンでは、号泣する彼の気持ちがよく分かり、私ももらい泣きした。

 

 

トラの映像の9割近くがCGで、これが本物と見分けがつかない程リアルで美

しく迫力がある。本物のトラはどれか、探しながら観るのも楽しいかもしれない。