17歳の時のこと。
自宅の近くを歩いていたら、突然「パン!」という音と共に、
私の足元に雀が落ちてきた。
驚いて拾い上げたところ、若い男が来て、キョロキョロと地面を探し始めた。
男が猟銃らしきものを持っていたので、
私はとっさに雀を両方の手のひらで隠し、足早にその場を立ち去った。
家に着いてすぐ手を開けてみたら、可哀想に雀の体の下は血の海で、
さっきはあいていた目が固く閉じられていた。
男は獲物を仕留めて興奮していたわけではないが、何かが変だった。
それは私が銃に気付く前、男を見た瞬間に感じたもので、
しいて言えば、まとっている空気が汚いというか…。
遊びで動物を殺す人間は、皆あれと同じものを持っているのだろうか。
あと、あの時は思いつかなかったが、もし交番に届けていたら、
いくら昔の事でも注意だけでは済まなかっただろう。