[内容]
政治、金融政策、官僚、マスコミ、エネルギー問題…等々、日本の問題点を幅広
く海外と比較しながら論じている。
[感想]
著者はニュースキャスターなどを経て、現在はフリージャーナリスト。
本書は“辛坊治郎メールマガジン”などで情報発信してきたものを、最新の知見を
織り込んで再編集したもので、シリーズ2・3も出版されている。
著者は2013年に、ヨットマンと2人で太平洋横断航海に挑戦して失敗。
この時自衛隊に救助されたことで大バッシングされるも、その8年後に単独で再
挑戦して往復無寄港横断に成功している。この時の年齢は65才。
本書では「ニュースを鵜呑みにせず自分で内容を確認して判断しなさい。」と、様
々な時事問題の矛盾や裏側を暴いて解説しており、その語り口には容赦が無く、色
んな意味で“恐いもの知らずの人”のようだ。
まず驚いたのが公的機関の利権の歪みで、よく言われる「日本は民主主義ではなく
官僚主義だ。」という言葉を思い出した。著者は「日本は他国と違って末端の公務
員が賄賂をせびることは無いが、天下りを始め組織的に賄賂の仕組みが成り立って
いる。」と指摘。
著者は又「役所の様々な利権構造が日本の発展阻害要因となって、“失われた30年”
が起きてしまったのではないか?」と言い、多くの具体例が挙げられている。
例えばデジタルに関しては、こんな感じだ。
「日本が迎えるデジタル敗戦」…NHKと日本の役所がアナグロハイビジョンに固執
している時、先進国は一斉にデジタル方式の次世代のテレビに舵を切っていた。
長年マスメディアで活動してきた人なので、マスコミ関連の興味深い話も多い。
・「マスコミ学会は“不満分子のたまり場“の様相を呈していて、過剰に“反権力”
だったりする。」
・「匿名の証言者に語らせるマスコミの手法は世界的に見ても異常。現実に客観的
証言者が放送関係者の身内だったり、ニュース当事者だったことが起きている。」
・毎日新聞は、中国共産党発行の“チャイナウォッチ”を添付したことがあり、それ
に対しては「どんなに(経営が)苦しくても譲ってはいけない一線がある。」…と。
・「今のテレビの多くはネット回線と繋がっていて“双方向”が実現しており、レグ
ザのテレビは全て、これを利用して視聴率データが抜かれている。ちなみにレグ
ザのテレビを東芝製だと思っている人が多いが、95%は中国の資本である。」等々
次に感染症と事故に関するものを1つずつ。
・2022年のサル痘上陸…「この時の発症者は90%以上が男性同性愛者だった。
しかしマスコミはその情報を隠し、そのために彼らを危険にさらした。」
・知床遊覧船沈没事故…「ヘリコプターの1機が整備中で、残る1機しか使えない
状態だったのに、事故が起きてもすぐに出動出来ない状態だったのは論外。」
最後に、もう少し詳しく知りたいと思った事の中から2つ。
・「子宮頸がんワクチンの副作用は極めて限定的で、報じられていたのも、ほぼ同じ
人のことばかりだった。ワクチン接種との因果関係も分かっていない。」
・「個々のDNAを調べることで、潜在、あるいは顕在している能力の差をデータ化
出来てしまう。人種間の能力差は運動能力の分野だけに止まらないのでは?と、
世界中が認識し始めたら世界はどうなるのか。」
シリーズ2・3も面白そうだが、出来れば批判された側の意見も聞いてみたい。