『説得ゲーム』(戸田誠二)
[内容]
近未来の,重くも暖かい人間ドラマの短編集。
[感想]
脳移植により新たな人生を歩み始めた青年の葛藤など、全部で5編納められている。
私が一番好きなのは、子供を産めない妻の代わりに出産する男性の話で、彼の心の
葛藤と生まれた子供を見つめる眼差しには、こちらまでついホロリ。
人を思いやる心は、それを見守る人(読者も)まで幸せにすることを、しみじみと感
じさせてくれる本だった。
『STREET CATS -のらねこ』(中川こうじ)
[内容]
ノラ猫達の写真と、其々に添えられたメッセージ。
[感想]
写真が良くても、書かれているメッセージが「ノラ猫に癒されてください。」とい
う類のものだったら買わなかったと思う。
愛らしい猫、よごれた猫、目にケンの有る猫。どの猫も可愛いが胸が痛む。
著者のこの言葉が胸に刺さった。
「 見て見ぬふりをして 豊かだとうそぶくとき
生きたいと願いながら散る命がある
己が保身を正儀と虚栄を張るとき
同じ命だと叫ぶ瞳がここにある 」