昔は「男は結婚して一人前」「女は子供を産んで一人前」などと言われていた。
確かに守るべき存在が出来ると、責任感や忍耐力、精神的強さが育つ。
しかし既婚者や子供のいる人は皆、人として大きく成長しているかというとそんな
ことは無くて、逆に独り身の時には見えなかったエゴイスティックな面が顕わにな
ることもある。
昔小学生の三男の夏休みに、公民館で地区の子供達の“お泊り会”が催された時のこ
と。私ともう一人の役員(A子さん)と2人で、2階で寝具などの準備をしていたとこ
ろ、作業を終える頃に低学年の子達がワラワラとやって来て、出窓に飛び乗ったり
して遊び始めた。
当時公民館にクーラーは付いておらず、とても暑かったので私達は窓を全開にして
作業をしていた。そのため慌てて窓のカギを閉め、子供達を1階に戻したところ、
A子さんが「暑いから窓は開けときましょ。」と言って、又窓を開け放した。
私が驚いて「2階は寝る時迄使わないし、万が一子供が窓から落ちたら…。」と言う
と、「もし落ちても、それは子供を放ったらかしにしてた親の責任でしょ?」と返
されて目が点に。
作業は終わっていたので私は再びカギを閉め、1階のお母さん達に子供を2階には行
かせないようにと声をかけたのだが、今迄何度か自己中の人を見たことはあっても、
さすがにここまで “他人の子はどうでもいい”人 は初めてだった。
こういった類の話は、ペットが相手の場合はもっと顕著で、動物ボランティアの活
動をしていた時にも何度か経験している。
当時、毎週日曜日は電話相談の受付日で、何人かが事務所に来て雑用をしながら相
談者や猫の捕獲機を借りに来る人などに対応していた。
ある日私が受けた相談内容は、「近所に出没するノラ猫を、どこかに連れてってほ
しい。」というものだった。何か悪さをするわけではないが、自宅で飼っている血
統書付きの猫に病気をうつされるのが怖いと、しきりに訴える。
その女性の物言いはやや高圧的で、しまいには「あんたら、動物ボランティアの看
板を掲げているのなら、ノラ猫を引き取る義務があるんじゃないんですか?!」と
怒りだし、更に電話口の向こうからは「さっさと連れてってもらえよ!」という男
性のイラついた声が…。思わず、今の声はご主人ですか?と訊いたら、中学生の息
子だと言う。この親にしてこの子ありで呆れてしまった。
飼い猫への感染症のリスクを考えて、余程の事情が無い限りノラ猫には手を触れな
いようにしている…という人は結構いて、それはそれで間違いではない。
逆に“猫は嫌いだから”という理由で、ノラ猫に近付かないようにしている人もいる。
誰にでも苦手なものはあるので、それも問題無いと思う。というか私には、我がペ
ットだけが大事という人よりは、ずっと真っ当な人間に見えるのだが。