ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

母子家庭の収入

20代前半の時のこと。夕方会社から帰宅する時に乗るバスで、時々見かけるちょ

っと目立つ女性がいた。年齢は30代後半くらい。華やかな着物姿で髪はきちんと

アップに結っており、その雰囲気と途中歓楽街にも停留場があることから、これ

から出勤する夜のお店の人だなと思って見ていた。

 

彼女が目立つもう一つの理由は、いつも小6くらいの女の子が見送りに来ていたか

らだ。優しそうな綺麗な子で、バスの扉が閉まると母親に笑顔で手を振っていた。

 

ある日のこと。女の子が電信柱に半分身を隠すようにして声を殺して泣いていた。

お母さんに行ってほしくないのだろう、見ているこちらまで切なくなる泣き方だ。

「お母さん、あんなに泣いてるのに置いてっちゃうの?」と思っていたら、発車直

前にバスを降りて女の子に駆け寄り、肩を抱いて帰って行った。

 

ああ良かった…と思って周りを見たら、いつもはお互い無関心の乗客達が、皆同じ

ように安堵の表情をしていて、それにもホッとしたのを思い出す。

夜のお店にバスで通勤ということは、彼女に経済的な余裕は無かったと思われる。

 

最近YouTubeで、“グッドネーバーズ・ジャパン”の広告が頻繁に流れてくる。

この団体は、ひとり親家庭に食品を配布しているNPO法人で、画面では女の子が

「おなかいっぱい食べたい」と、悲しそうな顔で俯いている。

この広告には色んな意見があるようだが、母子家庭に生活困窮者が多いのは本当だ。

 

昔と違いシングルマザーには、児童手当の他に以下が支給される。(所得制限あり)

①児童扶養手当 ②住宅手当 ③医療費助成 

 

これ以外にも収入によって給食費が免除されるなど、母子家庭を支援する様々な制

度があり、ヘタな両親が揃っているより恵まれていると捉える向きもあるが、それ

でも母子家庭の貧困率は高い。

 

厚労省の5年毎の調査によると、令和3年度の母子家庭の平均年収は272万円(平均

就労年収は236万円)で、父子家庭の約半分だという。しかも別れた夫から継続して

養育費を受け取っている家庭は、僅か28%だそうだ。

 

実家で親の協力を得ながら子育てしている人はいいが、そうでない場合は子供を抱

えて働くのは大変で、正社員の壁も厚いという。こういった諸々の事情から、夜の

お店で働くシングルマザーは結構いて、2割前後の人が該当又は経験があるという。

 

水商売の利点はやはり短時間で高収入が得られることで、昼の仕事と掛け持ちの人

も多いそうだ。しかし、昔ほどでは無いが主にお金と異性関係で偏見を持たれがち

で、実際夜の世界は一般の常識とは違った面があり、体調や年齢のこともあって長

くは続けられないことが多いという。

 

また夜の仕事は、子育ての不安材料となる面もある。子供が寂しい思いをする、母

親の職業を理由にイジメの対象になることがある…などは想定内だが、ネットには

長じてから不良になるなど問題行動を起こすようになる子が少なくない、という話

もチラホラ。

 

これに関しては「それは母親の職業云々ではなく、育て方に問題があるのでは。」と

の反論もあり、一概には言えないようだ。

それにしても…と思う。養育費をバックレる父親の罪は重く、場合によっては逃げ

得を許さない法的な手立てが必要だろう。