長男が小1の時のこと。
学校から、長男が鉄棒から落ちて軽い怪我をしたと電話があり、急いで迎えに行く
と「このまま病院に行って診てもらい、診断書を貰って来て下さい。」と言われた。
幸い軽い打ち身と擦り傷だけでホッとしたが、医者に診断書をお願いしたところ、
横を向いたまま眉をしかめて「この程度の怪我でお金を請求するんですか?」と
言われた。私はまさかの言葉に驚き、反論する気も起きず診断書は貰わずに帰っ
て来た。
この手の話は病院に限ったことではなく、ネットを見ると物乞いか詐欺のような扱
いを受けたと怒る人の話が沢山出てくる。しかし実際に不正は多いようで、例えば
「 生活保護。 障害者手帳。 傷病手当金。 休職期間中の給与支払。 交通事
故(ムチウチなど)の賠償金。 」 等々枚挙にいとまが無い。
詐病で多いのは精神疾患を装うもので、適応障害やウツなど見た目では判断が難し
いものが多いという。ということは逆に、それが真実であっても仮病扱いされる可
能性があるということで、それで精神的に追い込まれる人が結構いると言われる。
以下の話は、30年ほど前の出来事だ。
知人男性が子持ちの女性と結婚し、その数年後に家族で遊びに来て妻子を紹介して
くれた。奥さんはコロコロとよく笑う優しそうな人で、子供は小4の男の子。
この2人が少し席を外している時に、彼が深刻な顔で話し始めた。
男の子は一見普通だが、学年が上がるにつれて素っ頓狂な言動をするようになり、
しかも知能指数が下がってきてるようで、授業についていけなくなっているとか。
私は、男の子から受けた印象と感想を正直に言った。(要約)
「多分知恵遅れだと思います。専門の病院で診てもらって、今後は普通学級に通わ
せるのではなく、彼に合った教育を受けさせてあげた方が良いのでは。」
私は、図星でしかも余計なことを言ったのだろう。彼から無言で、「この野郎!」
と言わんばかりの強い怒りの目で睨みつけられた。
※“知恵遅れ”は今では差別用語で、26年程前から“知的障害”と言われている。
彼はその何年か後に離婚し、久しぶりに我が家に来た時に話してくれた。
あれから男の子の症状が進み、奥さんは仕事もままならなくなり、役所に給付金(?)
の申請に行ったところ、何と6カ所もたらいに回しにされたそうだ。
そんな彼女が最後にとった行動は、受付のカウンターに飛び乗って泣きながら大声
でわめき散らすことだったという。(この後すぐに支給が決定)
あの彼女がそんな事をしたなんて、私もショックで胸が痛んだ。お金云々よりも、
役所のおざなりで馬鹿にした態度が、本当に悲しくて悔しかったのだろう。
詐欺やクレーマーが多いため、申請を受ける側が慎重になるのは仕方がない。
しかし何を勘違いしてか上から目線の人が少なくないようで、私はそんな人達に
「それはいつか、あなた自身にはね返ってきますよ。」と言って差し上げたい。