[内容]
自分の人生を振り返りながら、「人は何を選択しどのように生きるべきか。」を
具体的にアドバイス。
[感想]
著者は経済評論家で、著書多数。
食道癌が発覚したのは2022年の夏のことで、2024 年1月に65才で逝去。
著者にとって“投資”は仕事の対象であり、自分のお金の貯蓄や投資について関心を
持ったことはほぼ無いという。本書の内容は仕事・投資・病気・家族・人との付
き合い方…等 多岐に渡っているが、お金に関して警鐘的なアドバイスが多いのは、
資産運用の専門家だからこそなのか、意外であり興味深くもあった。
癌に関しては、「損得勘定だけでも検査は受けるべし。」「ガン保険は必要無し。」
「病気も投資も一緒で、処理・判断の能力と時間を伴わない情報は無益で時に有
害。」とバッサリ。途中で受けた抗がん剤治療は、目に見えて調子が悪くなった為
自分の意思で中断しているが、再発した時に後悔の気持ちは一切無かったという。
また「がん患者に治療法やサプリのお勧めをする連絡が多くなるが、『必要な時は
声を掛けて』と言って放っておいてくれる人が、一番有難い人。」と言い、「癌が
心配な人は先ず国立がん研究センターのHPを訪ねると良い。」という助言も。
「 “実はどうでもいいこと”への拘りを捨てることで、コストや時間が節約できたり
する。」として、具体例を挙げて日常の小さな事柄の見直しも勧めている。
ちなみに著者は、ヘアースタイルやファッションに自分なりの拘りがあったそうで、
これに関しては、楽しみたい人は楽しめば良いというスタンス。
闘病が始まってから、衣服や本・各種ガジェットなどの大半を処分しているが、そ
の感想は「癌にならなくとも、もっと早く更に徹底的にこうすべきだったというこ
とに尽きる」…だそう。
以下に、『お金より大事なものにどうやって気づくか』から、一部抜粋。
・「20代30代は自分への投資を出し惜しみしない、いい経験をすること。」
・「基本的な考え方として、経済的な安心は“お金で貯める”のではなく、稼げる
人材としてのスキルや評判の知でキープしておきたい。」
・「ことお金の増やし方については、“最も有効な方法”を一つだけ知っていれば
十分。お金については、増やし方ではなく、使い方こそをよく考えてほしい。」
・「幸せになるには、他人に好かれるような人になるのが近道だ。」
この他、「 “人生の手仕舞い”のセオリー6箇条」「共に飲酒することのビジネス効果」
「地位財競争から降りることの大切さ」等、著者の思いが(反省も)色々語られている。
※地位財とは、周囲との比較によって満足を得る財産の事で、所得、貯蓄、社会的
地位、家や車などが該当。
この手の本を読む時にいつも感じるのだが、著者も体調と相談しながら最後まで前
向きに仕事を全うした人で、その気力の源が何であれ、誰にでも出来る事では無い
ことは確か。凄いなと思う。