[内容]
特権意識の強さから、周囲に多大な迷惑を巻き起こす高学歴エリート達の精神構
造を、実例を基に分析し対処法をアドバイス。副題『一流大学卒の迷惑な人たち』
[感想]
著者は精神科医。
まず最初は、「この、ハゲー!」暴言の元女性衆議院議員や、カジノによる博打の
為に子会社から総額106億円以上の資金を借り入れていた大手創業家の3代目など、
メディアで報じられた有名な5つの事件が紹介されている。
彼らの共通点は ①強い特権意識 ②想像力と共感の欠如 ③現実否認 ④状況判
断の甘さ ⑤自覚の欠如 そして、日本の最高学府である東大法学部卒であること。
本書ではこの他に、政治家、医師、弁護士、経営者、その御曹司など、モンスター
級の傲慢人間や迷惑人間がこれでもかと登場する。
以下に2つだけ具体例をアップ。
・自分の専門分野の治療にこだわって、誤診を多発した医師。
・偏差値の低い大学の学長になり、無茶な要求を繰り返した元名門大学教授。
私は最初、次のような感想を持って読んでいた。べつに高学歴じゃなくとも、立場
や地位、金、実績、人脈などを盾にモンスター化する人間はどの世界にもいる。
しかし、そこに高学歴という要素が加わるとどうなるか。彼らには以下のような傾
向があるという。
「自己保身の為の責任転嫁」 「自分自身に対する過大評価からくる自己正当化」
「相手の価値を否定することで自分の存在価値を確認」 「拒絶過敏症」
※拒絶過敏症=他人の些細な言動を、批判や非難、時には無視や拒否のように受け
止めて否定的に解釈する。
彼らはまた、ナルシストであるという。これは“過剰警戒型”と“無自覚型”(鈍感)に分
けられ、両者は表裏一体でその根底に潜んでいるのは、傷つきやすい自己愛。
無自覚型に当てはまるのは弁護士などの “先生”稼業、会社や病院の御曹司などに多
く、相手によって使い分ける人も結構多いらしい。
彼らには他にも、「他人の意見を聞かない」「批判されると怒る」「他人を道具と
しか見ない」「人への感謝も共感も無い」「自己イメージへのこだわりがある」な
どの特徴があるが、この5つ以上に厄介なのが平気で嘘をつくところだとか。
現代の日本社会では自尊心の大切さが強調され過ぎており、子供を持ち上げる教育
によって、幼児的全能感を引きずった大人が増えているという。
また日本は学歴社会というよりは、どれだけ偏差値の高い大学に入ったかで評価さ
れる面があり、そのため小さい時からチヤホヤされてきた偏差値エリートは、「自
分は凡人のあいつらとは違う」というモンスターになりやすいそうだ。
では高学歴モンスターから我が身を守るためには、どうしたら良いか。著者は次の
5つを実行するようにとアドバイスする。
①観察・分析する ②意地悪な見方をする ③なるべく第三者を交え証拠を残す
④自分の欲望を見極める ⑤スルーする
詳細を読むに、つまりは相手を変えるのは無理なので闘いの為の策を練り、可能な
ら距離をおきなさいということだ。著者は更に、自分の心持ちとして学歴を過大評
価しないようにと忠告している。