ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

読書感想『高学歴モンスター』(片田珠美)

[内容]

特権意識の強さから、周囲に多大な迷惑を巻き起こす高学歴エリート達の精神構

造を、実例を基に分析し対処法をアドバイス。副題『一流大学卒の迷惑な人たち』

[感想]

著者は精神科医

まず最初は、「この、ハゲー!」暴言の元女性衆議院議員や、カジノによる博打の

為に子会社から総額106億円以上の資金を借り入れていた大手創業家の3代目など、

メディアで報じられた有名な5つの事件が紹介されている。

 

彼らの共通点は ①強い特権意識 ②想像力と共感の欠如 ③現実否認 ④状況判

断の甘さ ⑤自覚の欠如 そして、日本の最高学府である東大法学部卒であること。

本書ではこの他に、政治家、医師、弁護士、経営者、その御曹司など、モンスター

級の傲慢人間や迷惑人間がこれでもかと登場する。

 

以下に2つだけ具体例をアップ。

・自分の専門分野の治療にこだわって、誤診を多発した医師。

・偏差値の低い大学の学長になり、無茶な要求を繰り返した元名門大学教授。

 

私は最初、次のような感想を持って読んでいた。べつに高学歴じゃなくとも、立場

や地位、金、実績、人脈などを盾にモンスター化する人間はどの世界にもいる。

しかし、そこに高学歴という要素が加わるとどうなるか。彼らには以下のような傾

向があるという。

 

「自己保身の為の責任転嫁」 「自分自身に対する過大評価からくる自己正当化」 

「相手の価値を否定することで自分の存在価値を確認」 「拒絶過敏症」

※拒絶過敏症=他人の些細な言動を、批判や非難、時には無視や拒否のように受け

       止めて否定的に解釈する。

 

彼らはまた、ナルシストであるという。これは“過剰警戒型”と“無自覚型”(鈍感)に分

けられ、両者は表裏一体でその根底に潜んでいるのは、傷つきやすい自己愛。

無自覚型に当てはまるのは弁護士などの “先生”稼業、会社や病院の御曹司などに多

く、相手によって使い分ける人も結構多いらしい。

 

彼らには他にも、「他人の意見を聞かない」「批判されると怒る」「他人を道具と

しか見ない」「人への感謝も共感も無い」「自己イメージへのこだわりがある」な

どの特徴があるが、この5つ以上に厄介なのが平気で嘘をつくところだとか。

 

現代の日本社会では自尊心の大切さが強調され過ぎており、子供を持ち上げる教育

によって、幼児的全能感を引きずった大人が増えているという。

また日本は学歴社会というよりは、どれだけ偏差値の高い大学に入ったかで評価さ

れる面があり、そのため小さい時からチヤホヤされてきた偏差値エリートは、「自

分は凡人のあいつらとは違う」というモンスターになりやすいそうだ。

 

では高学歴モンスターから我が身を守るためには、どうしたら良いか。著者は次の

5つを実行するようにとアドバイスする。

①観察・分析する ②意地悪な見方をする ③なるべく第三者を交え証拠を残す

④自分の欲望を見極める ⑤スルーする

 

詳細を読むに、つまりは相手を変えるのは無理なので闘いの為の策を練り、可能な

ら距離をおきなさいということだ。著者は更に、自分の心持ちとして学歴を過大評

価しないようにと忠告している。