[内容]
我が子と日本の子供達へ思いを込めて、生命(いのち)、家族、教育、外交、戦争
など、日本社会の問題点を幅広く考察。
[感想]
著者は国民的なシンガーソングライター。著書も多数。
ネットを見ると、日本で最も多くのソロ・コンサートを行った歌手とある。
そこまで精力的に活動した理由は、28歳の時に映画『長江』の制作で、利子込み
で総額35億円もの借金を抱えたからで、自己破産をすすめられるも、返済を決意。
30年近くかけて完済したというのだから、それだけでも凄いが、ソフトな外見や
くだけたトークとは裏腹に今時珍しく“漢”を感じさせる人だ。
「自分は炭鉱のカナリアであり続けたい。」と言い、当事者にとっては厳しい意見
が続くが、自身の様々な挫折経験も綴っている。
※炭鉱のカナリア=炭坑の有毒なガスの被害に遭わないよう、先頭の坑夫は必ず
ガスに敏感なカナリアの入った鳥籠をぶら下げていた事を指す。
戦前・戦中は自殺が著しく減少するという。昨今の殺人事件の報道の多さと、平和
な時代の方が命が軽んじられる現実を憂い、本書は「命は誰のものか」という問い
かけから始まる。
興味深い話やエピソードが沢山あったが、以下に心に響いたものを幾つか抜粋。
「震災の時にテレビ局のヘリコプターが『水 食べ物 SOS』って書いてある場所
に2度も行って、何もしない。勝手な場所に降りることは法律違反になるが、
そんなことも検討できない程日本人の判断能力は下がってきているのだろうか。」
「分かり易く言えば、あいつにちょっかい出したら怖いぞ、という意味での武力は
残念ながらあと最低百年は必要かもしれない。」
「宗教とは特定の神ではなく、自分の心に住む人知を超えた存在への畏敬の念。」
「今日出来る事は今日しか出来ない。明日出来る保証はない。そう思ったら惜しむ
暇なんて無いんですよ。」
「美しい地球は、先祖から引き継いだモノではなく未来の子孫から借りているモノ
だ。」(ネイティブ・アメリカンのナバホ族に伝わる言葉)
最後に、個人的に具体的な中身が気になった言葉を。
「実際に人知を超えたものというのは存在しますし、常識の範囲内ではこういうこ
とは起こり得ない、というようなことも起きます。そういうことは僕も幾度も経
験している。ただ、それを自分の霊能力だとか、自分が選ばれて神と対話したか
らだ、とは思いません。誰にでもこういうことを感じる能力は備わっている、と
思っています。」
※さだまさしのファンクラブの投票で、1位の曲は「風に立つライオン」だそう。
私も好きな曲で、同名の 映画 (主演大沢たかお)もお薦めです。