[内容]
中堅・中小企業23社の、破綻に至る迄の過程を解説し問題点を分析。
[感想]
皆それなりに実績のあった会社で、「急成長の落とし穴」「リスク管理の甘さ」
「ビジネスモデルの陳腐化」の3パターンに分けて解説している。
外部要因として当時はリーマンショック・東日本大震災の影響も大きかったが、
会社倒産までの経緯には幾つかの共通点が見られ、時代に関係なく参考になる
内容。
以下に破綻の代表的なケースを抜粋。
・過大な設備投資で、資金繰りが行き詰まる。(手元資金は重要)
・ワンマンで収支管理がずさんな放漫経営を続けた。
・同族で昔ながらの経営を続けていたが、内部分裂して事業継承に失敗。
・1社依存から抜け出し、会社の柱となるべく新事業に乗り出して失敗。
・デパートなどの委託先に丸投げして、リスク管理を怠った。
・利益剰余金で金融派生商品に手を出し、巨額の損失を出した。
(金融派生商品=先物取引、オプション取引、スワップ取引など。 )
「会社を潰した社長の独白」として、2社の社長がインタビューに応えて経営破綻
の経緯と胸の内を語っているが、やはり当事者の言葉にはズシンと重く心に響くも
のがある。以下はその一部。
◎中小部品メーカー社長
「資金繰りで追い込まれる前に、抜本的な経営改革に着手すべきだった。」
「経営者は局面を冷静に分析できる相談相手や協力者をそばに置くことも大切。」
◎部品製造会社社長
(民事再生の申請書を出した時に)
「真っ暗な世界に光が入ったような感覚 ‐(略)‐ 救われた思いがしました。」
こうして見ると、会社が窮地に陥りそうな時にトップに求められるのは、客観的な
判断と粘り強さで、事業の縮小や経費削減が遅きに失せぬよう、引き際を間違えな
いことも重要だ。
成功体験談も面白いが、本書のような失敗談は本当に沢山のことを教えてくれる。