[内容]
どんな「見た目」でも、自分次第で幸せになれることを証明した9人の物語 。
[感想]
著者は作家で、本書は「見た目問題」に取り組むNPO法人マイフェイス・マイ
スタイルに当事者を紹介してもらい、彼らにマンツーマンでインタビューした
もの。
登場するのは口唇口蓋裂、リンパ管腫、トリーチャーコリンズ症候群など、それ
ぞれ別の障害を持つ人達で、全部で9名。全員笑顔の写真付きで紹介されている。
インタビューで語ってくれた彼らの言葉は、見た目に問題のある人だけではなく、
悩みを抱えた人に多くの事を教えてくれるものだと思う。
ネット界隈では「人は見た目が9割」という言葉が大手を振っている。
これは、“メラビアンの法則”の間違った解釈から来たものだそうで、確かに顔つ
きや服装・仕草で印象は変わるし、齢を重ねるほどに内面が顔に刻まれるという
のはある。しかし美容業界の影響もあってか、若い人の間に容姿偏重やルッキズ
ムが蔓延していることを憂える声も多い。
顔に目立つ障害がある人は、じろじろ見られるのは日常茶飯事で、殆どの人がイ
ジメを経験しており、引きこもりや自殺を考える人も少なくないという。
本書に登場する人達は、皆悩みながらも前向きに生きようとする人達ばかりだ。
彼らの共通点は、「自ら居場所を見つけてコミュニケーションを大事にし、感謝
の心を持ち、悩みは続くが諦めることなく折り合いをつけて受け入れている。」
という点だ。そしてもう一つの共通点が “理解のある親” の存在で、彼らは両
親から障害は恥ずかしいものではなく普通の子として育てられている。
本書には考えさせられる言葉が沢山あるが、その中から4つ抜粋。
「変えられないことに囚われるのではなく、変えることに目を向ける。」
「強い敵が出てきたら下積みをして力をつけて戦う。それが生きる醍醐味。」
「覆水盆に返らずだが、地面に落ちた水で新たな芽を育てる。」
「なりたい自分を思い描き続けて、何度も挑戦することで乗り越える。」
本書には、小学生の時に教師から顔にあざがあることを理由に「他の生徒と違っ
て、お前には未来が無い」ということを言われ、(それだけが原因ではないが)
ずっと将来への強い不安を抱え続けてきたと語る人がいた。
この教師に限らず私達大人は、不用意で思いやりのない言葉には、時に子供の心
を潰してしまいかねない力があることを、しっかり認識する必要があるようだ。