最近本を読んでいて、何でこの言葉を平仮名表記にしてしまうんだろう…と思う
ことが増えた。実際、校正の時に漢字を平仮名に変えられることは多いようだ。
たまにネットで、殆ど平仮名の文章を見ることがあるが、読みづらい上に私の場
合読むスピードも落ちてしまう。ところが近年若い人達の間では、漢字の多い文
章は堅苦しくて読みづらい…と感じる人が増えているらしい。
「常用漢字表にある漢字は漢字で書き、それ以外はひらがなかカタカナで書く」
というのは分かるが、(難しい漢字は別にして)漢字で書いてくれた方が一目で意
味が分かるので、老人世代でなくとも文章を書く時に漢字表記をする人は多い。
ネットで調べてみたら、“平仮名にした方が良い漢字”がズラッと出てきた。
例えば…「私達」「出来る」「何故」「随分」等々。
パソコンが勝手に変換するというが、手紙を手書きにしていた時からこのように書
いていたし、今更パソコン入力でいちいち平仮名に変える作業をするのは面倒だ。
それに、例えば「彼とあった」と書かれていた場合、会った・逢った・遭ったで
は、ニュアンスが全く違ってくるが、漢字だとわざわざそれを説明する必要がない。
しかも日本語には、発音が同じでも(ニュアンスどころか)漢字や意味が全く異なる
言葉が沢山あるため、平仮名表記のせいで意味を取り違えてしまうことは十分に起
こり得る。
読みやすい文章は、「漢字30%:ひらがな70%」と言われる。
漢字・ひらがな・カタカナのバランスの良い使い分けが大事…というのも、その通
りだと思う。
ネットで「老人は無駄に漢字を使いたがる」的な意見を幾つか目にしたことがある
が、多くの人が目にする役所の公用文や出版物ならいざ知らず、ちゃんと学校で習
った漢字を使って書いているのに、そこまで拒否反応を示すのは何故だろう…と、
不思議に思う。
あと専門用語なら仕方がないが、一般向けなのにやたら横文字が多い文章も気にな
る。「それは貴方の学と教養と年齢の問題。」と言われたらその通りなのだが(笑)、
優秀な人ほど分かり易い言葉で解説してくれているように感じる。